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レトロな軍人将棋にいろんな意味で涙する

現在の洗練されたボードゲームに慣れた我々にとって、古き良き時代の国産ゲームの大らかさは、ある種の驚異を与えます。双六屋が手に入れた「軍人将棋」とは。

執筆者:双六屋 カゲゾウ

文章:双六屋 カゲゾウ(All About「カード&ボードゲーム」旧ガイド)

懐かしさに涙する

先日、街中を歩いていると、最近はめっきり目にすることが少なくなった駄菓子屋がありました。

懐かしさに誘われ、ふらりと入店すると、そこに懐かしのボードゲームがあり、つい購入。そのゲームとは「軍人将棋」です。

軍人将棋

タイトル:新行軍将棊
メーカー:不明
プレイ人数:2人(+審判1人)
プレイ時間:20分位


現在のドイツ系ボードゲームの洗練されたコンポーネントとゲームシステムに慣れた若いプレイヤーにとっては、箱を開けてびっくりすると思いますよ。

とにかくコンポーネントがアバウトでざっくりとした作りなんですよ。そりゃもうタイポリー並みにツッコミどころ満載。

若い方はひょっとしたら軍人将棋をご存知なかかもしれないので、簡単にこのゲームをご説明します。

それは覆面将棋だ

軍人将棋
自軍の初期配置と、相手の駒をの正体をいかに見破るかが勝利への鍵。
ゲームは2人対戦専用です。

両プレイヤーは、自陣に駒を伏せて配置します。あとは交互に駒を移動させていきます。

敵の駒と自分の駒が同じマスに入ったら戦闘開始。駒には大将、スパイ、大佐などなど、強さにランクがあります。

両駒の強弱によって戦闘が決し、負けた駒は盤上から取り除かれます。移動と戦闘を繰り返し、敵方の「総司令部」のマスに、先に自分の駒を侵入させたプレイヤーが勝利します。

ゲームシステムの大らかさに涙する

駒の正体の秘匿性が、このゲームの重要な要素となりますが、駒の移動中も、駒は伏せられたままです。戦闘時にも駒の正体が明かされることはありません。

こちら葛飾区亀有公園前派出所 (第99巻)
こち亀の99巻には、軍人将棋が登場する回があり、両津さんが軍人将棋のタイトルホルダーたちと死闘を繰り広げる。
ではどうやって戦闘の勝敗を判断するかというと、プレイには参加せず、戦闘のジャッジだけをする審判員が必要になってくるのです。

そう、軍人将棋は2人対戦用ですが、3人の人間を必要とするのです。


ある意味、軍人将棋の審判員はTRPGのゲームマスターの走りともいえます。

しかしゲームマスターほど、能動的にゲームに関われるわけでもなく、双六屋の小学生時分には、もちろん不人気な役割。

今だから告白しますが、パシリ系のお友達にいつも押し付けていました。

軍人将棋の衝撃的な中身⇒
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