初心者が一目置かれる秘訣
どのジャンルにおいても専門用語や符牒があり、これらの言葉を使いこなすことで、同好の士ならでは省略の効いた会話や阿吽のやりとりを共有でき、それだけでエキスパート気分です。もしあなたがボードゲームのビギナーでも、用語を使いこなせれば、熟練者たちのテーブルに交じったとき、「おっ! こいつはボードゲームを知ってるね」という眼でみてもらえるかもしれません。
だからといって、正直な話、取り立ててメリットがあるわけではありませんが……
それでもスポーツを始める時、一流の道具を買い揃え、身につければそれだけで、自分がうまくなった気持ちになるとの同じで、取り組む姿勢が大事なはずです。
今回は、ボードゲームを遊んでいるときに、比較的よく使われる言葉を集めてみました。
ボードゲーム用語 あ行
アブストラクトゲーム
Abstract (抽象的な)という言葉が示すとおり、ゲームから運の要素と、物語性・具象性を配し、思考に重きを置いたゲームのことです。囲碁やオセロなどは典型的なアブストラクトゲームです。駒にある程度具象性があると考えられる将棋やチェスも広義にはアブストラクトに分類されるようです。
まあ定義は小難しい感じですが「運の要素がなく、ボードが幾何学っぽいデザインで色彩に乏しい」感じのゲームであれば、大体アブストラクトゲームです。
インスト
おそらく「イン・ストア・ナウ(in store now)」とか、『いただきストリート』の略…… というのはもちろん冗談で、INSTRUCTION(教育、指導)の略。ボードゲームにおいては「ゲームのルールを教えること」を指します。使い方としては「誰かこのゲームをインストしてください」と教授をお願いするときでしょうか。
SDJ
「ドイツ年間ゲーム大賞(Spiel des Jahres)」のこと。ボードゲーム界においてもっとも権威のあるゲーム賞。「ドイツ年間~」だと長いので、仲間うちなどでは「エス・ディー・ジェイ」と略してます。原語読みで「シュピール・デス・ヤーレス」とかいうと通っぽいです。よく例えられるのはボードゲーム界のアカデミー賞。
ツワモノは、歴代のSDJすべてを憶えていて(というか、遊んだ経験があり)かつ候補作品まで記憶にインプットしているらしい。
あと、この賞によく似た字面で「ドイツゲーム大賞(Deutscher Spielepreis)」というのもあり、混同していると恥ずかしいので注意(ガイドは昔それで赤面したことがある) こちらはボードゲーム界のゴールデングローブ賞といったところか。
重い
一般的に、手順がえらく複雑だったり、選択肢が膨大だったり、遊び終えるのに最低でも3時間以上、下手すると数日かかったり、要は戦術が多岐にわたり、ねっとりとした長考を要すゲーム。しかし、なにぶんプレイヤー個々の感覚に負う部分が多く、誰かが「『ケイラス』は重いよねぇ」といえば、たいてい1人か2人くらいが「いや、そんなの軽いよ、『1830』のほうが全然重いし」と、マニアック度がより深まっていく。
この議論をすると、上記のことを知りつつ、本当に物理的に「重量」があるゲーム名を出してくるプレイヤーもいて百家争鳴。しかし、コンポーネントが重いということはそれだけ、具材が多くてゲームが複雑な場合も多く、あながち間違っているわけではない。
ガイド個人の指針としては、インストに30分以上かかるゲームや、ルールブックが20ページ以上あるゲームや、1プレイの思考に10分費やしても苦にならないものを「重い」ということにしています。
次はか行、「カタン」も登場します→