坊や、相手が悪かったな

もしあなたが、その道の一流と呼ばれる人間と立ち合って「あれ、意外に大したことないな」と感じたなら、それはすでに相手の術中にはまっているのです。

それどころか十重二十重に張られた罠にどっぷりとはまっており、敵はあなたを仕留めるタイミングを見計らっているだけにすぎません。あるいは、すでに毒牙にかかり、その毒に犯されてありえざる幻影をみているだけなのかも……。

「わたしは無一文になった友人をゲームにもどらせるために、気前よく数ドル貸してやるかもしれないが、つぎの手でそいつからありったけの金をまきあげるために、きっと最善をつくすだろう」

『片目の宣教師』
       (デッド・サクリー・ジュニア 高橋 豊訳/ハヤカワ文庫)


「手法そのもので連中を倒すわけじゃない。心理的効果さ。他人の思考パターンに影響を与え、こちらの思い通りに信じ込ませる、これを発展させただけだ」


『カジノのイカサマ師たち』
(リチャード・マーカス 真崎義博訳/文藝春秋)



「武器のない争い。血が流れない戦い。人間の知能をこれほど巧みに浪費させるものはほかにない」
フィリップ・マーロウ(探偵)
 
『長いお別れ』(レイモンド・チャンドラー 清水俊二訳/早川書房)


※物語中、マーロウがチェスについて述べるシーンから


「相手にひとつのイメージを与える。次にやることはそのイメージを裏切っていくことだ。それが勝負なのだ」

『Aクラス麻雀』(阿佐田哲也/双葉社)


次は勝負師が負けない理由です→