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君は『100万$キッド』を知っているか?(2ページ目)

かつて少年マガジンで連載されていた『100万$キッド』はいまでいうところのトンデモ本。が、荒唐無稽さ加減は清々しいくらい突き抜けていて、並みのギャンブル漫画など吹き飛ばすおもしろさだった。

執筆者:双六屋 カゲゾウ


何だってー!!! 水晶玉でイカサマとは

じつはこの水晶玉が曲者。ミス・マーベルは、ひろしの瞳に映っている彼の手札を、水晶玉を望遠レンズのようにして読み取っていただけなのでした…… って、おいおい。


これだけではありません。あるときは、相手プレイヤーがいきなりゲームのルールを変えてしまい、ひろしがあっさり条件をのんでしまったり、あるときはディーラーまで対戦相手とグルだったりと、世界最高の舞台なのにとても公平性を保っている大会とはいえません。主催者ナニヤッテンダヨ!


MMRへと続く系譜はここからだった

だが、勘違いしないでいただきたい! 双六屋はこの作品を、批判しているわけでも、貶めているわけでもありません。この作品がマガジンに連載されて頃、それこそ「うお~!今週号はどうなったんじゃ」と心躍らせてページをめくっていました。


なぜって、とにかくテンション高い! 海千山千の強豪からイカサマバリバリの色物プレイヤーまで(しかもそれぞれの特徴をもった強さをもっている)これだけ豊富に登場するのに、1試合がほぼ1週ないし2週でカタがついて、話がどんどん先に進んでいくんですよ。


ものすごい濃い異種格闘技戦を続けざまに観戦している感じで、これに匹敵するのは『グラップラー刃牙 最大トーナメント編』くらいしか思い浮かびません。


また使われるイカサマは、水晶玉のような、実現不可能なものも多い一方、ギミックカードを使用したり、リフル・シャッフルの規則性を利用したものなど、現実にマジシャンが(裏を返せばイカサマ師)が使用しているテクニックも含まれており、ひろしがそれを見破るたびに、手品の巧妙な種明かしを解説されているようで「ほえ~、なるほど!」と感心していました。


ちなみに作者の石垣ゆうきは、この後『MMR」という日本版「Xファイル」みたいな作品(キバヤシが「何だってー!!!」っていうアレですよ)も描いているので、この作者のトンデモ嗜好は、100万$キッドのころかすでにその萌芽があったようです。

本日の漫画少年たちに贈る関連・参考サイト

俺にキン肉マンを語らせろ!前編 ガイド記事。
ゆでたまご嶋田先生が語るキン肉マン1 プロレスガイド川頭さんの記事
亀有~四つ木 「こち亀」両さんと昭和散歩 散歩ガイド増田さんの記事

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