ということでこのコラムでもゲームと脳に関するゲームを取り上げます。もっともこちらは脳力を鍛えるゲームのご紹介ですが・・・
大脳が左右で機能が違うことは良く知られています。左脳が主に言語や計算などの論理的な思考、右脳が音楽や芸術やイメージといった直感的な思考を司っているといわれます。
将棋の羽生棋士が左脳と右脳の両方を上手に使って戦っていることは有名な話です。
プロ棋士の程の脳力を付ける必要はありませんが、遊びながら右左それぞれの脳にピンポイントで効くゲームをご紹介しましょう。
●左脳にキク!言語中枢を刺激するゲーム「ワードバスケット」
ゲームのエキスパートが発明したニューウェーブのしりとり
最近言葉が思い出せないことはありませんか?左脳の働きが弱まっているかもしれません。そんな方には処方箋としてこのゲームをお薦めします。
中央に置かれたバスケットの中にはお題となる1文字がでています。手もとにはひらがなが一文字書かれたカードが5枚配られます。
ルールは簡単。場の文字ではじまり、手もとの1文字で終わる単語を宣言してバスケットに捨てます。
例えば場が「お」であり、手元に「い」があれば「おおありくい!」と宣言して捨てられます。但し単語は3文字以上で構成されていなければならずこの場合「おい(甥)」では捨てることはできません。
捨てるのは早い者勝ち、捨てられたカードが自動的に次のお題になりますので、ぼやぼやしていると考えていたカードが捨てられなくなってしまいます。手札を1番最初になくしたプレイヤーが勝者です。
説明書にもありますがこのゲームの面白いところはやり込むとプレイヤーによって得意分野のボキャブラリーがあることがわかります。ある人は科学系の単語に強く、ある人は漫画ネタが多いなど、プレイヤーの個性がこのゲームのスパイスになっています。
このゲームは日本ゲーム協会(通称JAGA)という有名なゲームサークルのメンバーによって発案されました。ゲームのエキスパートが作っただけあって、老若男女誰でも楽しめる非常にバランスのとれた傑作ゲームです。
【関連・参考サイト】
・ワードバスケット公式サイト
・日本ゲーム協会
●右脳にキク!直感力を鍛えなおすゲーム「セット」
ケンブリッジの遺伝子研究者が考えた奇妙な絵合わせゲーム
セットは奇妙なゲームです。人に教えてもらうとこれほど簡単なゲームもないのですが、文章だとやや煩雑です。
81枚のカードを使います。カードにはマークが描かれていますがこれは、色、数、形、模様の4つの要素、3つの種類から構成されています。場にでている12枚のカードを任意のルール従って3枚1組で組み合わせ「セット!」と叫び取ることができます。場のカードは伏せられたデックから次々に補給されて行きます。場のカードを使いきったとき、何組取れたかで勝者が決まります。
カードの取り方は各々の要素がすべて同じか、すべて異なればとることができます。公式サイトには日本語もありますのので詳しいルールはこちらから。文章だとわかりにくいですが、実例を出してみましょう。例えばこんな感じです。
これは簡単。色、形、数がすべて同じで模様だけすべて違う。
数、模様がずべて同じで形と色がすべて違う。
最も見付けにくいのがこれ。4つの要素、3つの種類がすべて異なっています。これを造作もなく見つけられるようになればあなたも立派なセットプレイヤーです。
セットの公式ページには日替わりで問題集が更新されていますので、ご自分で実際にプレイしてみるのが一番わかりやすいと思います。
セットをやっていると普段使っていない脳味噌のどこかを非常に酷使しているのが実感できます。このゲーム感に慣れるまで時間がかかりますが、ある時からその苦行が快感へと変わり、なかなか中毒性が高いゲームといえます。
中にはカードを全部伏せ、これで神経衰弱をするという(ペアを探すのでなく3枚1組を探す)豪の者もいるようで、通常の遊び方では物足りない人はオプションルール集で遊んでみても楽しいかもしれません。
このゲームの発案者はケンブリッジで遺伝子研究をしており、遺伝子の整理用カードを作っていたことからこれをゲーム転用することを思いついたようです。
【関連・参考サイト】
・「セット」公式ページ(英語)