なぜ『マリオ』はRPGになったのか |
◆『マリオ』がRPGになって、“変わったこと”
アクションゲームとRPGの大きな違いといえば、何よりストーリー性でしょう。
アクションゲームとしてのマリオ作品においては、「ピーチ姫がクッパにさらわれた」というお決まりの導入さえあれば、それ以上の濃密なストーリーは必要としませんでした。それでもRPGともなれば、ただ横スクロールをまっすぐ進んでいけばクリアーできるわけではなく、文字どおり奥行きのある世界を駆け巡るさまざまなストーリー展開が用意されているのです。
さらに、キノピオやクリボー、ノコノコといったキノコ王国の庶民の姿も描かれるなど、RPGになったことで『マリオ』の世界観がより一層リアリティーのあるものになっている面もうかがえます。アクションゲームではマリオの敵役になるキャラクターたちも、普段はキノコ王国で平和に暮らしているようですね。
また、ピーチ姫がただ敵にさらわれるだけの役回りでは決してないことも、RPG系マリオ作品に見られる特徴です。
『ペーパーマリオRPG』では、敵のアジトに捕らえられながらも危険をかえりみず情報を集めるピーチ姫。その姿は、かつてのような「か弱いお姫様」の面影はどこへやら。・・・それどころか、最近は『スマブラDX』などのおかげでクッパ以上に(?)元気ハツラツな「おてんば姫」というイメージが定着しつつあるようですが。
そして、永遠の二番手たるルイージ君・・・いや、だからこそ君が好きなんだ。
◆『マリオ』がRPGになっても、“変わらないこと”
アクションゲームにおけるマリオは、「ジャンプ」や「ダッシュ」といったクリアに必要な能力はすべて最初から持っています。ステージを進めて難易度が上がるにつれて、プレイヤーの腕も自然と上がっていくことを実感できる作りになっているのです。
これは、前のページで説明した“体験型”RPGのプレイスタイルに通じるものがあります。
『ペーパーマリオRPG』においても、冒険が進むにつれてプレイヤーは謎解きや戦い方のノウハウを蓄積していくことでしょう。プレイヤーの分身たるマリオは、彼の意思で勝手に行動したりセリフを喋ったりもせず、あらゆるプレイヤーのアクションを受け入れ、プレイヤーと一緒に成長していくのです。
これは、『マリオ』がたとえどんなジャンルになろうとも、決して変わらない要素のひとつでしょう。そして、さらわれたピーチ姫を助けに行くというお約束の展開も、ジャンプで敵を倒すアクションも、もちろん健在です。お姫様がさらわれない、ジャンプで攻撃できないマリオなんて、そんなのはマリオじゃない!!(笑)
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『ペーパーマリオRPG』は、RPGならではの仕組みを取り入れながらも、マリオならではの面白さの方程式をしっかりと引き継いでいるのです。
マリオファンなのにRPG系作品はプレイしたことがない、あるいはアクションゲームじゃないから敬遠していたアナタ! プレイしてみれば、「やっぱりマリオだ!」ときっと思うはず。マリオの面白さは、RPGになっても変わ……っている要素もありますが、だからこそ面白いのです!少なくとも不滅なのです!!
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<目次> |
◆『ペーパーマリオRPG』は、なぜ面白い? RPGの起源から、『ペーパーマリオRPG』の魅力を解明する! |
◆RPGの起源と、2つの大きな流れ 起源はあの指輪物語!~“体験型”の『ドラクエ』、“鑑賞型”の『FF』 |
◆なぜ『マリオ』はRPGになったのか 『マリオ』がRPGになって、変わったこと、変わらないこと。 |