“クロスレビュー”の採点ポリシー |
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───「クロスレビュー」というコーナーは「ファミコン通信(※3)」時代からあったのですか?
水ピン 創刊当初はクロスレビューは無かったかな。1986年の創刊当時は隔週刊誌だったんですけど、創刊10号から始まったコーナーなんですよ。
───お2人とも、ファミ通の名物クロスレビュアーとして活躍なさっていますが、レビューをするうえでの判断項目というか、ポリシーというものはありますか?
水ピン 基本的には、4人のレビュアーが各自で判断して、そのゲームの良さなり悪さなりを指摘すればいい、というポリシーなんです。まあ、時代によってポリシーも変わったりしているんですけれども。
───「時代によって」というのは?
水ピン 昔は、ただゲームファンとしての視点でソフトを評価すればよかったんですけど、最近は対象者を限定したソフトが増えているんですよ。例えば、小学生の女の子向けに作られたソフトを、僕みたいな30代の男が遊んで「面白くない!」なんて評価しても意味が無いんですよ(笑)。なので、そのソフトのターゲット層がもし買ったらどう思うだろうか、という視点に立って評価するようにしています。
───ところで、レビューで遊んでみて、面白かったから自分で買ってしまう、なんてことも結構あるのでは?
ローリング内沢 買いますね~。僕は、クロスレビューで9点以上つけたソフトは結構買ってますね。
水ピン おお~(笑)。
ローリング内沢 最近だと、『メイドインワリオ』『カービィのエアライド』『マリオゴルフ ファミリーツアー』とかを買ってますね。
水ピン 僕は・・・買うのは月に5本くらいかな。
───やはり、レビューで高得点をつけたものですか?
水ピン う~ん、僕の場合は、小学生の女の子が遊んだら面白いだろうなと思って10点をつけたゲームは絶対買いません!
───(一同笑)
水ピン だから逆に言うと、7点しかつけていなくても、個人的にはすごく面白いと思ったソフトもあるんです。単純に高得点のゲームを買うだけじゃなく、そういったソフトを買うことも多いですね。
───ところで、レビュアーから見て、任天堂とはどのような会社ですか?
水ピン 任天堂とは・・・う~ん、ローリング内沢からいってみようか(笑)。
ローリング内沢 僕にとって任天堂は、「いちゲームメーカー」です。他のメーカーと変わりません。
水ピン おお~。
ローリング内沢 レビュアーとしては、あくまでも「いちゲームメーカー」として作品を評価しています。
水ピン そうだよね。「メーカーが○○だから」なんて理由で評価しちゃダメだよね。
ローリング内沢 もちろん個人的には思い入れはありますけどね(笑)。ファミコン世代ですし。
水ピン 僕にとっては、任天堂は「老舗」かな。今、社長が岩田さんになって任天堂もかなり変わりましたけど、昔から変わっていない面も非常に多いですよね。良い意味でも悪い意味でも(笑)。
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(※3)「ファミコン通信」=1986年6月、隔週誌として創刊。1991年7月にゲーム雑誌としては初めて週刊化され、1996年1月に誌名が現在の「週刊ファミ通」に変更。 |