ニーズの創出

PSP goもDSi LLも、ターゲットは「従来機を使用していたユーザー」だろう。「もっと画面が大きかったら遊びやすい」「もっと小型化して持ち運べるガジェットが欲しい」と言った、従来機の不満を解決するハードと言える。

DSi LLは「高齢者にもっと視認性・操作性を向上させたモデルを」「在宅でじっくり遊べる携帯ゲーム機を」というニーズに応えるモデルとなった。

対してPSP goはややユーザーが見えないモデルとなっている。
「UMDドライブを無くしてメモリを積んでみたんだけど、どうだろう?」と言った、メーカーサイドからの提案が先に来ている形だ。
「その代りゲームはすべてダウンロード購入してね」というわけだ。メーカーの提案に対し、ユーザーが「じゃあ僕はこう使おうかな」と利用シーンを想定する。想定できないユーザーは当然購入候補にもあげないだろう。

一見するとユーザーの見えない不透明なハードだが、そこには「従来のPSPを生かす」と言う重要な使命も持っている。

PSP goにより加速するネットワークビジネス

ネットワーク拡充の足がかり?
上記のように、PSP go単体は非常にニッチなユーザーに向けたモデルと言える。

しかし、結果的にはPSP goの発売を契機として、PSPソフトのダウンロード販売が始まったし、「PSPで読めるコミック」の販売サービスもPSP goの発売と絡めて報道されることが多かった。

PSPのプラットフォーム自体が従来のポジションから飛躍するためには、PSP goの存在と「ネットワークサービスの拡充」はワンセットで必要だったのではないかと思えるのである。

そして、拡充されるサービスは実際にはPSP goのみでしか受けられないものではなく、大々的に開始されているダウンロード販売も、手軽なゲーム『PSP Minis』の開始も、現行PSPでしっかり享受することができる。

そう考えるとPSP go発売直前の現行PSPの値下げも納得できる。
もろもろから察するに、PSP goはその存在感以上に戦略的な存在なのではないだろうかと思えるのである。

PSP goとDSi LL、発売直後には明暗が分かれた形にはなるが、みるべきはそれぞれ単体のゲーム機ではなく、プラットフォームの発展性なのではないだろうか。