『攻殻機動隊』のゲーム化は実は初めてではありません。1997年にもソニー・コンピュータエンタテインメントから3Dシューティングとして発売されており、ファンの人々からは高い評価を得ているようです。
そのときには収録された映像のクオリティーも含めて話題になりました。それから7年。ゲーム機の進化を含めて、今回のゲームはどう進化したのでしょうか。
■なんと全編実機映像
通常、原作つきのゲームは原作の映像がゲームの合間に流れるようなものが多いように思います。ところが今回の『攻殻機動隊 SAC』は、なんとほとんどが実機による映像となっています。
結果、ムービーシーンとゲーム内容のギャップが少なく、キャラクター重視のゲームにありがちな「デモ画面は綺麗なんだけどねぇ」といった不満はありません。
他にもハッキングしてロックを解除するシーンや、敵兵に乗り移る(=ゴーストハッキング)シーンなど原作にもあったシチュエーションがうまくゲームに取り込まれ、全体的にイメージを大切にしていると思いました。
■ストーリーはオリジナル
『攻殻機動隊 SAC』という名を冠しているものの、ストーリーはアニメ版とは違い完全オリジナルです。SOFTBANK GAMESによる、今作の総監督藤咲淳一氏のインタビューによると「“刑事モノ”として“人間の情”“男と女の関係”を描いた「2時間スペシャル番組の攻殻SAC」のストーリーを味わって欲しい」とのこと。
基本的にはアクションを前面に出したミッション重視のものですが、原作にある公安9課の面々が頻繁に登場してミッションを盛り上げます。
■骨太アクションは好きですか?
ゲーム内容はオーソドックスな3Dアクションゲームと言えるでしょう。操作感覚はかなり違いますが、『メタルギア ソリッド』を髣髴とさせるゲーム性です。
遠距離から射撃で敵を狙い、近距離の敵は肉弾戦で倒す。若干クセのある操作に慣れさえすれば爽快感を味わえる難易度です。
ただ、■落ちると一発で落ちる場所が多い、■キー設定に難がある、など引っかかる部分があったのも確かです。
これらはまた次回、演出面とともにご紹介します。
■今が旬のジャパニメーション
さて、今年は宮崎駿氏の『ハウルの動く城』、大友克洋氏の『スチームボーイ』、そして士郎政宗氏原作、押井守監督の『イノセンス』などなど注目作が次々公開されます。
そんな中ゲームで、今が旬のジャパニメーションの勢いを感じてみるというのはいかがでしょうか?