今回ゲーム化された『攻殻機動隊』はTVアニメとして放映された『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX(以後攻殻機動隊 SAC)』が元になっています。
というのも、『攻殻機動隊』シリーズについてはその分類がやや複雑なのです。
まず抑えておきたいのは、原作が士郎政宗氏の『攻殻機動隊』という漫画である、という点。
1991年に発表されたこの漫画はファンに熱狂的に支持され、1995年には『天使のたまご』『パトレイバー』などで有名な押井守監督によって劇場版『攻殻機動隊 GHOST IN THE SHELL』が公開されます。
その後1997年に一度ゲーム化された後、2002年にファン待望のTVアニメシリーズ(SkyPerfecTV!のPPV(ペイパービュー:番組ごとに課金するサービス)での放送)で放映され、その内容は劇場版・漫画版の「もし○○が○○しなかったら」といったIFの世界での話でした(詳細は劇場版未見の人のために伏せておきます)。
そしてこの春、異常事態ともいえる状況が生まれたのです。
■二つの『攻殻機動隊』
『イノセンス』のバトー、そしてテーマにもなっている“人形”
以前から製作がささやかれていた押井守監督による『攻殻機動隊 GHOST IN THE SHELL』の直系の続編、『イノセンス』が今年3月から公開開始。
大好評のため製作が開始された『攻殻機動隊 SAC』の続編、『攻殻機動隊 SAC 2nd GIG』が今年1月からSkyPerfecTV!で放映開始。
同じ作品から2つの系統の作品が、血を分けた双子のように生まれてしまったのです。
つまり解りやすく書くとこういった流れでしょうか。
『攻殻機動隊 GHOST IN THE SHELL』→『イノセンス』
『攻殻機動隊 SAC』→『攻殻機動隊 SAC 2nd GIG』
強いて言えば、『攻殻機動隊 GHOST IN THE SHELL』は『攻殻機動隊 SAC 2nd GIG』の後の話として楽しむと辻褄が合うように思います。
『イノセンス』も『攻殻機動隊 SAC』も旬のものですし、ぜひ今から観てみてはいかがでしょうか? 『攻殻機動隊 SAC』は今なら日本テレビ系列で放送中です。
■『攻殻機動隊 SAC』とは
僕は過去に『攻殻機動隊 GHOST IN THE SHELL』を観たことがあるだけだったのですが、ゲーム化をきっかけにDVDで発売されていた『攻殻機動隊 SAC』を観てみました。
これがまた面白い! TVアニメでの放送とは思えないほどのクオリティーの高さにびっくり。全26話、1話完結型の物語で、「笑い男事件」という1本の軸があり、終盤にかけて徐々に盛り上がっていく様が秀逸です。
内容が難しくやたらと会話の情報量が多いので、SF的な舞台設定が苦手な人にはお勧めしかねますが、大人が楽しむアニメとして素晴らしい出来栄えです。
今回は『攻殻機動隊 SAC』のゲーム化、ということでゲーム内容をご紹介しましょう。