おたづき蔵通り
喜多方の街の真ん中を南北に流れているのが田付川である。この田付川と平行するように「ふれあい通り」と「おたづき蔵通り」がはしっている。ここ「おたづき蔵通り」には、名前の通りいくつもの蔵が並んでいる。
蔵が建ち並ぶ「おたづき蔵通り」 |
かつてこのあたりは小田付村と呼ばれ、古くから開けた場所だったそうだ。もともと「喜多方」というのは、会津盆地の北に位置するということで「北方」と書かれていたそうだ。米沢と若松を結ぶ交通の要衝でもあったそうだ。
ちなみに現在の土蔵の家並みは明治中期に建てられたもので、当時の姿がよく保存されているというような説明書きがある。
この他にも蔵の説明が書かれているところがいくつかあるのだが、中まで観光客に公開されているものもあれば、普通に生活や仕事場として使われていることもあるので、見学には注意が必要だ。
小原酒造
表の立て札によれば、1717年(享保2年)に小原嘉左衛門が創業した酒蔵とのこと。中を見学できるというので、入ってみた。酒蔵が見学できる小原酒造さん |
他にもいくつかの造り酒屋があったが、たいていそこのお酒を販売している。そして、試飲もできるのだが、それだけでもけっこうベロベロになってしまう。それくらい数が多いのだ。
さて、ここ小原酒造では、お店の方が酒造りについての説明をしてくれる。まずは杉玉についての説明。そうそう、よく造り酒屋の入り口によくこの玉がさがっている。説明によれば、これは「杉玉」と呼ばれる、杉で作った玉で、この玉が下がると今年もお酒を造り始めたということで、最初は緑色だった杉玉が茶色くなってきたらお酒ができあがったという合図になったのだそうだ。
蔵粋(くらしっく)
というわけで、実際の酒蔵を案内してくれた。服装はそのままでもいいが、履物は履き替える必要がある。建物の奥にまた、もうひとつ蔵が続いている。表通りに面している蔵はお店で、奥が酒を造る蔵になっている。酒蔵への入り口 |
江戸時代から続く酒蔵だからさぞ、伝統的なのかと思いきや、新しいことにも挑戦しているのがおもしろい。それは蔵に音楽を流して、醪(もろみ)に聞かせて醗酵させるという不思議な手法。なんでも演歌からロック、クラシックまでいろいろと試したが、クラッシクとりわけ、モーツアルトがよいとのこと。
それでできたお酒が「蔵粋(くらしっく)」という名前のお酒。お酒の名前もシャレている。ちなみに「粋」は「いき」で、それをシック(chic)と読ませている。
試飲をし、一本買ってしまった。
さあ、次ページでは
さらに蔵を見て喜多方駅まで歩きます!