「多摩蘭坂」は、国立市と国分寺市の境にある
忌野清志郎さんを偲び、多くのファンによって供えられた花やお酒やメッセージ |
多摩蘭坂というのは清志郎さんが作った楽曲でもあり、実際その名前の坂が国立市と国分寺市の境にある。清志郎さんやRCサクセションファンの聖地となっている。筆者は「多摩蘭坂」という歌は知っていたが、知り合いに教えてもらい実際にそういう坂があることを知った。
最初に行ったのはずいぶん前のこと。行ってみると坂には石垣があって、その石ひとつひとつにファンの人たちによるメッセージが書き込まれていた。石は黒っぽく、メッセージはホワイトペンで書かれていた。筆者も何か書いておこうと思ったが、ホワイトペンも持っていないし、またそのうちに来るからと、その日は何も書かずに帰った。しばらく時間が経過し、再び多摩蘭坂を訪れたのは3年ほど前。さすがに石に書き込まれたメッセージの多くは消えかかっていたが、新しいものもちらほらある。その時もまた来るからと何も書かなかった。
名前の由来は、急な勾配が「たまらん、たまらん」
その多摩蘭坂にようやく行くことができた。国立駅から、国分寺方面へ向かうバス通りに多摩蘭坂はある。国立駅から歩いて15分くらいの場所である。坂の勾配などは昔と変わらなかったが、坂の途中にある石垣は新しいマンションが建ちなくなっていた。そういえば、多摩蘭坂を教えてくれた友人がこう言っていたのを思い出した。
「清志郎はね、この坂の途中に家を借りて住んでたんだよ。『多摩蘭坂』の歌詞の通りなんだけど。でも、ファンが家にやってくるようになったんで、すぐに引っ越しちゃったらしいんだよ」
ふとそんな話を思い出した。
坂の下に説明文が建てられている。今回初めて知ったのだが、坂の正式名称は「たまらん坂」で、忌野清志郎さんが「多摩蘭坂」と当て字をして歌を作ったそうだ。バス停は「多摩蘭坂」と漢字になっている。
坂の名前の由来は、急な坂ゆえ、ここをのぼる人が「たまらん、たまらん」と言ったからついたとのことだ。坂の説明が建っている場所に多くの花やお酒、メッセージなどがあった。ノートなども置かれていて、清志郎さんへの思いが綴られている。そして、次から次へと人がこの場所にやってくる。主に中高年の方が多い。
ノートに何か書こうかと思ったが、やめておいた。また、来るつもりだから。忌野清志郎さんが亡くなり、まさに「たまらん、たまらん」という思いがこみ上げてきて、坂を後にした。
<関連情報>
小川町で味噌らーめんを食べ、お茶の水まで
赤坂の公園を抜けて洋食を食べに行く
兜町から日本銀行までの金融街を散歩する