三ノ輪橋をスタートする

都電荒川線というのは、東京に唯一残っている路面電車である。

かつて東京の街には網の目のように路面電車が走っていた。散歩者は路面電車の線路をたどることで、道がわかったそうだ。地下鉄にはそれは無理である。

都電荒川線三ノ輪橋停留所
三ノ輪橋停留所をスタートする都電荒川線。

昭和30年代をピークにして、41の系統あった都電は昭和40年代に入ると次々と廃線になっていった。都電荒川線は、もともと27系統と32系統を統合したものである。三ノ輪橋から赤羽を走っていた27系統の一部と32系統(荒川車庫前~早稲田)を合体させたものである。

他の路線が廃止される中、なぜこの2系統が荒川線として残ったかといえば、専用軌道が多かったことがその理由である。

というわけで、始発の停留所である「三ノ輪橋」をスタートすることにした。
まずは、27系統の三ノ輪橋~王子までを歩く予定である。

荒川一中前

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右側にある細い道を歩くとすぐに「荒川一中前」の停留所が見えてくる。
荒川線は、名前の通りその前半はずっと荒川区を走っていく。この荒川区の部分は線路と平行して歩けるところが多い。三ノ輪橋から荒川一中前へは人がやっと通れるような道である。
都電荒川線を歩く楽しさのひとつは次々と停留所が現れるところだ。平均して500メートルくらいだろうか。時にはすぐ先に次の停留所が見えていることもある。歩いていて、実に楽しい。
さらに地図が必要ないのもいい。線路を探せばいいのだ。時に住宅街で線路を見失ってしまうこともあるが、そのときは耳を澄ませば、電車の音、踏切の警笛などが聞こえてくる。

荒川区役所前

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「荒川区役所前」を出た早稲田行きの電車。
都電では、駅とはいわない。停留所である。住宅、学校、役所などまさに荒川区民に親しまれているというかんじの停留所が続く。
景色ものどかなかんじである。
繁華街であった三ノ輪橋から生活の場にやってきたかんじとでもいえばいいだろうか。
かつては東京の郊外を走っているというイメージだった荒川線だが、その雰囲気をこの区間をよく表しているような気がする。


荒川二丁目

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いたるところに踏切があり、電車が通り過ぎていく
荒川区役所前あたりから並行している道がなくなる。ただ、どこも踏切があって、ふと見ると電車が通り過ぎていく。実にのどかなかんじだ。電車が通り過ぎたあと、遮断機がすぐに上がるのが印象的。電車は一両だけだから、遮断機が閉まっている間はわずかである。



荒川七丁目

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「荒川七丁目」の停留所。
荒川線を歩くおもしろさは、それぞれの区間で特徴がまったく違う点だ。三ノ輪橋からこの荒川七丁目あたりは住宅街があったり学校があったり、区役所があったりして、生活に密着した電車であることがわかる。


次の「町屋駅前」でご飯を食べることにした。

三ノ輪橋~荒川一中前~荒川区役所前~荒川二丁目~荒川七丁目~町屋駅前までの1.8kmのコース。