荻窪風土記に出てくる八丁通り
四面道を越えて、青梅街道を歩くと「八丁通り商店会」という看板が目に入る。 |
これはなんだっけ、昔読んだことがあるなぁと記憶をたどってみると、ハッと気がついた。それは、井伏鱒二の「荻窪風土記」だった。内容はまったく覚えていないが、たしかこの通りのことが書かれていたのを思い出した。井伏鱒二は昭和2年に荻窪に移り住んでいる。当時の荻窪の様子が描かれたエッセイだったはずだ。
たしか、この先に八幡さまがあるはずだ。と、やはりあった。
一歩境内に入ると静けさが漂う
「荻窪八幡神社」は平安時代から続く古い神社である |
ここ荻窪八幡神社もそうだ。
実に整然ときれいに掃除が行き届いた境内である。
青梅街道の車の音から遮断された世界。一瞬、武蔵野の面影を感じるほどだ。お参りをして、しばしこの静寂を感じることにした。
道灌槇が歴史を感じさせる
堂々の「道灌槇」 |
前述したようにこの神社そのものはもっと昔からあったのだが、太田道灌はそれよりもさらに時代は新しいのだが、それでも江戸に幕府が開かれるよりもっと前の時代のことである。
誰もいない境内をさっと男子高生が横切ろうとしている。
神殿の前できちんと一礼をして再び通り過ぎた。
ここは生活道路でもあるのだろう。
なんだか、清々しい光景を見たような気がした。
地元の人々に古くから愛されている神社なのであろう。