ニュー新橋ビル内を徘徊する
ニュー新橋ビルの地下一階。手頃な値段で飲めそうなお店が並ぶ。 |
「ニュー新橋ビルへ行きましょう」
Eくんはまるで寒風から避難するようにビルに入っていった。
このニュー新橋ビルの建設計画が持ち上がったときのドキュメンタリーをNHKで見た気がする。小学生の頃だから昭和40年代ころだろうか。
小さな飲み屋が軒を連ねる小路の映像。焼鳥屋などが並んでいる。ここに新しいビルが建設され、今度はそのビルの中で商売をやっていくという。ビル建設に対する人々の期待と不安を描いているようなドキュメンタリーだったと記憶している。
あの映像に出ていた人たちはどのくらいこのビルに残っているのだろうか。
チケットショップやらゲームセンターなど、当時はまだなかった商売も今はこのビルの中に多数ある。
地下一階に下りて、ぐるりと回ってみた。手軽に飲める居酒屋などがたくさんある。
和服姿のきれいな女性とすれ違った。背の高い美しい女性はいきなり、
「いかがですか?」
と声をかけてきた。どうやら、その先が彼女のお店のようだ。
適当に断って先へ進む。Eくんが興奮気味に
「久しぶりにあんなきれいな人を見ましたよ」
と言う。ならば、あのお店に行こうよ、そう言ったのだが、
「いえ、ちゃんと調べてきているので、そこにします」
とキッパリ。なるほど、きょうの行き先はすでに決まっているようだ。
大衆酒場 ニコニコ食堂
地上に出ると再び寒風が吹き付けてきた。寒い。プリントアウトした地図を手に歩くEくん。「あ、ありました」
と指さす看板を見れば「大衆酒場 ニコニコ食堂」とある。いいネーミングだ。
店の前で焼き鳥をほおばっている客がいた。旨そうだ! |
店の前で、焼き鳥が焼かれている。仕事帰りのサラリーマンが足を止め、立ったまま食べている。これが実に旨そうだ。中に入ってみることにした。
さて、「大衆酒場 ニコニコ食堂」のメニューは次ページで!