散歩/和む散歩ルート

中原中也、山頭火の足跡をたどる山口散歩

湯田温泉という山口県の小さな町をスタートし、中原中也、種田山頭火の足跡をたどりながら足湯につかり、山口の市街地まで歩いた。そこは中世の大内文化を感じる道でもあった。

増田 剛己

執筆者:増田 剛己

散歩ガイド

山口線、湯田温泉駅に降り立つ

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山口線の湯田温泉駅に降り立つ。小さな駅である。周辺には住宅などもある。
前回の散歩で小郡の其中庵という山頭火の庵を訪れた。
<新山口駅近くにある山頭火の其中庵を訪ねる>
今回はその散歩の続編ともいえるものである。
新山口駅から山口線というローカル線に乗り換える。
山口線は、未だに蒸気機関車が走っていることでも有名である。
もっともこの蒸気機関車は通常の運行ではなく観光用なので、毎日走っているわけではない。
なので、ごく普通のローカル車両に乗って、湯田温泉駅を目指した。
田舎の風景が車窓をどんどん流れていく。そして駅に着いた。
ここは、夭折の詩人、中原中也が生まれ育った町である。
小さな駅である。改札を出ると、駅前には自転車がたくさん置かれていて、高校生がそれに乗って帰ろうとしていた。
ここ湯田温泉は、観光地であるとともに一般の人たちも普通に暮らしていることがわかる。中原中也は明治40年(1907年)に軍医の家の長男として生まれている。


中心地まで徒歩で向かう

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温泉街までは少し歩く。観光客のほとんどはこうして歩いていた。
僕は幼稚園から高校までを山口県の防府という町で過ごした。そのため中原中也のことは子供の頃から名前くらいは知っていたし、中原中也の母、フクがテレビ出演していたことも覚えている。だから、そんなに昔の人というイメージはなかったが、昨年の2007年が中原中也生誕100周年ということで、すでに100年以上前の人なんだと実感した。
さて、湯田温泉駅の目の前に温泉街があるのかと思ったがそうではない。
ホテルなどの場所はここから歩くことになる。
正月休みということで、駅に降り立つ観光客の数は多い。タクシーを使う者もあるが、たいていは歩いてホテルや旅館に向かっている。

高田公園に足湯があった

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地元の人だろうか、観光客だろうか。高田公園の足湯につかっている。
道なりに行くと、ホテルなどが並ぶ大きな道路(県道204号線)の手前に高田公園というのがある。足湯というのがあった。あとでわかったのだが、湯田温泉には全部で5カ所の足湯がある。どこも無料で足をつけることができる。
高田公園の中に入って驚いた。
いくつもの記念碑が建っているのだ。中でも明治の元勲、井上馨の像が目立っている。
なんでもこの公園は井上馨の家の跡なのだそうだ。
もちろん中原中也の詩碑や山頭火の句碑もある。
この公園をざっと見れば、いかに湯田温泉がさまざまな歴史のエピソードで彩られているかがわかる。
そういう意味では今回の散歩は湯田温泉の予習に過ぎないなと僕は思った。
とにかくざっと歩いて回ろう。


湯田温泉の市街を歩き、山口駅まで歩く。

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