散歩/昭和を振り返る散歩ルート

天丼を食べて、山谷界隈を歩く(2ページ目)

前回に続き、東京のディープゾーンともいえる吉原、山谷界隈を散歩することになった。天丼を食べ、泪橋、山谷堀公園から隅田川まで。戦前の建物が残る街を歩いた。

増田 剛己

執筆者:増田 剛己

散歩ガイド

ボリューム満点の天丼を食べる

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「土手の伊勢屋」さんの店先に出ている看板。時代を感じる。
写真家の菅野ケイさんも
「以前からこの店は知っていたんですが、入るのは初めてです」
と、ケイさんはソフトな口調でおっしゃる。若い女子2名も並んでいる間もたのしそうにおしゃべり。ほどなく店内に通される。
これが戦前の建物なのか。その中で、お店の人たちがてきぱきと働いている。ごま油のいい香りがさらに強く鼻をくすぐり、食欲をそそった。
東京を焼け野原にした第二次大戦だが、この一角は空襲でも焼け残ったそうだ。
「この下は昔、防空壕だったんですよ」
土間を指差す店の人。なるほど、そこには地下への入り口が床にある。
ふと見上げると古くて大きな柱時計があった。時刻はちょうどお昼の12時をさしている。

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これが穴子天丼2300円。丼からはみ出ている。ちなみにご飯は少なめ
普通の天丼は(イ)(ロ)(ハ)と3種類ある。どういうものかわからないけれど、それぞれ値段が違う。順番に1400円、1900円、2300円である。僕はいちばん安い(イ)、女性たちは(ロ)、ケイさんは穴子天丼(2300円)を注文。ついでに200円のなめこ汁を全員が頼む。Rさんとケイさんはご飯を少なめにしてもらっていた。


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これは天丼(ロ)1900円。こちらも天ぷらが丼からはみ出ている。
さて、天丼の(イ)(ロ)(ハ)はどこがどう違うのかと見ていると、まずは器が違う。僕が注文した(イ)は朱塗りの丼。(ロ)やケイさんの穴子天丼は、もう少しりっぱな丼である。たぶん、隣のテーブルの人たちが注文していたのが(ハ)であろう。これは、蓋がかぶせてある。

(イ)は、イカのかき揚げ、海老、キスの天ぷらが載っている。(ロ)や(ハ)はこれをベースに他の天ぷらも載っているようだ。それにしてもものすごいボリューム。
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これが天丼(イ)1400円。イカのかき揚げ、海老、キスの天ぷら
一口食べて驚いた。ころもがサクッとしているのだ。これはおいしい。中のイカや海老がぷりぷりしている。あまりしつこくない。しかし、食べても食べても減らない。途中から、僕もご飯を少なめにしてもらえばよかったなと思ったが、意外にも全部食べられた。ご飯もおいしいのだ。甘辛いタレもいい。
しかし、食べ終わったら、さすがにこれはもうお腹いっぱいである。ふーっ。いやぁ、本当においしかった!
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