散歩/江戸風情を探す散歩ルート

落語「黄金餅」の世界を歩く、古地図散歩(3ページ目)

江戸落語には今も残る地名がよく出てくる。中でも「黄金餅」という落語は歩く道筋、道順などが詳しく語られている。今の地名でいえば上野あたりから麻布までの行程だ。少し長いが、古地図を使って歩いてみた。

増田 剛己

執筆者:増田 剛己

散歩ガイド

「堀様と鳥居様というお屋敷の前をまっすぐに」~上野から秋葉原を抜け神田へ

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今だったら個人情報問題だが、江戸時代の地図には個人名まで明記されている。堀様のお屋敷は今、銀行!
中央通には台東区が設置している旧町名を説明している地図があって、これが大いに役立った。が、それは台東区までのことで、それを過ぎるとなくなるのがさびしい。とにかく道はまっすぐ。

「堀様と鳥居様というお屋敷…」

と古地図を読みながら探しているEくん。「あ、ありました、ありました」と興奮気味だ。今回の散歩は現代の地図と古地図を持って歩いているのだが、それがまた楽しい。が、あまり地図ばかり見ていると先に進まない。
秋葉原を越え、万世橋あたりでEくんは、

「これで4分の1くらいですか?」

と言うのだが、まさか!まだまだである。さて、神田須田町、神田駅を越えると今川橋交差点だ。今は川はない。しかしこの道行き、実に橋が多い。昔はそれだけ川があり、橋があったのだ。ちなみに今川焼きは、この今川橋のたもとで売られていたのでつけられたという説がある。

長丁場の散歩、神田でカレーライスを食べて栄養補給

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チャーハンカレー。ありそうでなかった組み合わせだが、美味い+美味いで美味い。
お腹がすいてきた。もう午後1時だ。古地図を見ながらとはいえ、少しゆっくり歩きすぎだなぁ。もう少し早く歩かないといけないが、ご飯も食べなくちゃ。

「このあたりはカレー屋さんが多いですねぇ」

とEくん。というわけで、カレー屋さんで食事することにした。
「カレー・多国籍専庵 酒季」というお店で、 チャーハンカレーを食べる。ボリューム満点だが、これからけっこう歩くことを考えれば、これくらいのエネルギー補給は必要かも。再び歩き始め、千代田区から中央区へ。中央通りにある看板にも変化がある。昔の絵を使って、庶民の暮らしぶりや町並みの説明などがあった。ゆっくり見る時間もなく先へ……。

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銀座を抜ける中央通は、道幅が広く、すがすがしい
日本橋を渡って、まっすぐ。東京駅が右側に見え、その先は銀座である。この日は天気がよく、落語のセリフでいうと「石町から室町へ出まして、日本橋を渡りまして」のあたりから舗道は広くなり気持ちがいい。しかし、落語には銀座の名前は出てこない。銀座も新しい町なのだ。
上野広小路(現・上野広小路)(現・上野広小路)~新橋(現・新橋)

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