石畳の路地をいくつも通り抜ける
路地は神楽坂通りの喧騒を思い出せないくらい静かだ |
かつてここは、細かい路地が迷路のように入り組んでいたのだそうだが、今は高層マンションやらこの公園やら空き地などがある。
行き止まりになっている場所もあり、行ったり戻ったりしていると、石畳の裏路地があった。おもしろいのは石畳の具合が路地ごとに微妙に違っている点だ。黒塀があったりする。春日八郎の歌う「お富さん」の一節に「粋な黒塀」というのがあったねぇ。そんなことをNくんに言うと知らないと言う。「お富さん」の歌は僕が生まれる前にヒットしたものだけど、たぶん、相当なヒットだったのだろう、僕も知っているくらいだから。
黒塀に見越しの松というのは妾宅の典型的なものだった。 こう書くと、今の若い人には本当にわけがわからないだろう。まあ、そんなことをNくんに話しても仕方があるまいと、先に進む。
いまだに黒塀が残る町並み。それが神楽坂だ |
「このあたりは猫が多いですね」
と言う。確かににそうだ。