散歩/昭和を振り返る散歩ルート

亀有~四つ木 「こち亀」両さんと昭和散歩(5ページ目)

コミック「こち亀」で有名な亀有駅前の両津勘吉像を見て、伊勢屋さんで両さんどら焼を買う。そして曳舟川親水公園を歩き、四つ木まで。昭和の面影を色濃く残す散歩コースだ。

増田 剛己

執筆者:増田 剛己

散歩ガイド

昭和の日本が残る四つ木の街

お味噌屋さん「坂本」。半世紀にわたり四つ木で店を構える老舗
全国のお味噌35種類を扱っている。遠方からも買いに来る人がいるそう
遊歩道が終了するところで、水戸街道にぶつかる。途端に大量の車の行きかう大きな通りに出て少し面食らう。そこから右側に曲がっていくと、「まいろーど四つ木商店街」へと進んでいく。

ああ、ここはすごい。まるでオリンピックの前の日本の街の雰囲気がある。なんだかテーマパークのようだ。だからといってそれが観光化されているわけではなく、そのままの生活圏として残っているのだ。

「はかり・糸・ふとん」という看板を指差し、Nくんが大発見をしたように叫ぶ。

「すごいですねぇ、あの取り合わせ」

と言うのだが、僕はそう思わなかった。なんでだろう。こんな看板を昔、見たことがあったからだろうか。

しばらく行くと、お味噌屋さんがあった。「坂本」という看板。坂と本の間に○に「さ」の字を入れたものがある。こんな看板も実に懐かしい。

「甘いお味噌ありますか」

とNくんが店に入っていく。三重県出身のNくんは、東京の味噌は塩気が強いと言う。確かに西の味噌のほうがマイルドだ。少し離れて、店全体を見ると、なんとも美しい昔の商家のそれであった。全国のお味噌35種類を扱っていると言う。女将さんと息子さんだろうか。Nくんの問いに対して、即座に、九州のお味噌を出してくれた。もうどのくらい営業しているのかと尋ねると「半世紀以上です」とおっしゃる。すごいことだ。

店を出て、喫茶店にて少し味噌を舐めさせてもらったが、やはりほのかに甘い、フルーティーなお味噌だった。来月籍を入れるというNくんは大切そうに再びお味噌をくるんで、カバンの中にしまった。



<関連リンク>
曳舟川親水公園・古墨田川親水水路
こちら葛飾区亀有公園前派出所 - Wikipedia
葛飾 伊勢屋
四つ木 - Wikipedia
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