果てのサンゴの島、波照間
どこまでも続くさとうきび畑と青い空。ドラマでしか見たことがない風景が続く |
石垣島から高速船で約1時間。後半30分がおそろしく揺れる。熟睡していたところを、起こされたくらいだ。本当に生きた心地がしなかった。揺れに弱い人は、ちょっとお金を多く払ってでも小型飛行機でやってくるのがいいだろう。
「波照間」という島の名前の由来は諸説あるが、一番わかりやすいのが「果てのうるま(うるま=珊瑚礁で囲まれた島)」。島は名のとおり珊瑚礁で囲まれ、東西6キロ、南北3キロ、周囲14.8キロと、とても小さい。自転車であれば、1時間強あれば周囲をぐるりと回ることができてしまう。
今回、ぼくは日本最南端の碑を目指して、歩いてみることにした。
島は名のとおり珊瑚礁で囲まれ、東西6キロ、南北3キロ、周囲14.8キロと、とても小さい。自転車であれば、1時間強あれば周囲をぐるりと回ることができてしまう。歩いて回るなら、半日はかかる。何もないので、事前に水分は購入しておこう |
ニシ浜ビーチで海に入り、体を冷やす
ニシ浜ビーチ。底抜けの青さにはこころが自然と踊る |
この暑さから逃れるようにビーチめがけて歩く。ニシ浜ビーチだ。おそろしいほど青い。こんなに青い海があるんだなぁとため息。そして、ちょっと一休み。ビーチにはほとんど人はいない。ほてった体を冷やすために、海に浮かんで空を見上げれば、飛行機の往来が激しい。ぽかりと白く浮かぶ飛行機を見て、10年前、ぼくが乗っていた飛行機と同じ航路をたどっているのかなぁとぼんやり思っていると、あっという間に日焼け。日が直角に落ちてくるのだからしかたない。
水族館でしか見たことがないような魚が泳いでいる。見とれながらも、目的地でもある日本最南端の碑を目指す散歩なので、海からあがって再び歩き出す。
さとうきび畑とやぎがお出迎え
島内いたるところで見かけるやぎ。おそらく人の数よりやぎの数のほうが多い |
集落を抜けると、どこまでもさとうきび畑が続く。歩けど歩けど、さとうきび畑。ときどきやぎ。変則的に牛。人に見事に会わない。結局、集落を抜けて日本最南端の碑まで、誰に会うこともなかった。途中、脱水症状で倒れていても、誰も気づいてくれないだろう。しかし、携帯は通じるのだが。
汗がしたたり落ちるが、日かげを見つけることすら難しい。やぎは暑くないんだろうか。ふとそんな疑問がわきあがる。尋ねてみたが、答えてくれない。
どんどん歩く。「じりじり」という表現がぴったりなくらい、日が肌に突き刺さる。帽子を持ってきてよかった。これから、もし、読者の方で波照間に夏行こうと思った人がいたなら、必ず帽子はもっていってほしい。