隅田川ウォーターフロントを散策する

佃大橋を背に、佃島に聳え立つビル群
佃島を歩いてみたかった。高校生のときに見たNHKのテレビ番組「新日本紀行」で、佃島を紹介するものを見てからだ。

佃煮発祥の地がここ佃島であること。以前は島だったのだが、東京オリンピックの直前に橋がかけられ、それから10年が経過したというのが番組のテーマだった。そして、年寄りの世代と今の世代はそのライフスタイルも変わってきたというような内容であった。後述するが佃島の人々は江戸時代から独特のポジションにあった。番組の中でリタイヤしたお年寄りが、路上に椅子を出して日向ぼっこをしているのがとにかく印象的だった。

それから、落語に「佃祭」という噺がある。まだ橋のない渡し舟のあったころの噺だ。佃祭りにやってきた次郎兵衛さん、祭り好きだけに時間を忘れてしまうが、あわてて最終の渡し舟に乗ろうとするのだが、そこをある女性に引き止られる。ああ、船に乗れなかったとがっかりするのだが、この舟が沈んでしまい、多くの死者が出る。まさに九死に一生を得るというところから噺が始まるのだ。

僕のお勧めは三代目の三遊亭金馬のものだ。昭和29年の録音で、まだ佃大橋のできる10年前のものだけに興味深い。もちろんそのほかの落語家さんのものでもいいので、この落語を聴いてから散歩に出かけるのもまた楽しいかもしれない。

さて、この散歩コースは隅田川の水を見ながら歩くわけだが、これが実に涼やかな気分になるいいものだった。暑い季節にはもってこいのコースかもしれない。