散歩/グルメ・行列・銭湯の散歩ルート

谷根千、湯島 10円まんじゅうを見つけた散歩

日暮里の高台から谷中に下り、さらに不忍池、湯島天神をめざすコース。道すがら、古今亭志ん生師匠が落語を練習した場所にも思いがけず遭遇。そう、谷根千は今も昔も変わらないのだ。

増田 剛己

執筆者:増田 剛己

散歩ガイド

この日は2006年1月13日金曜日。正午に西日暮里駅に集合。西日暮里はJR山手線と地下鉄千代田線のどちらで行こうか悩む。結局は地下鉄で行くことにした。少し遅刻。空模様は、今にも降り出しそうな曇天。今日は西日暮里から湯島天神まで歩く予定だ。

「なんで、湯島天神なの?」と聞けば、Nくん「何言っているんですか。今、受験シーズン真っ盛りじゃないですか。受験生のためにお祈りしましょうよ」と。どうして受験生のために歩かないといけないのかよくわからないけど、受験シーズンで湯島天神を訪れる人も多いのだそうだ。Nくん自身も大学受験の前の日に湯島天神にお参りをしたのだそうだ。

日暮の里から谷中へ

西日暮里から出発。駅を降りて、線路沿いの坂をあがれば高台に
地下鉄の駅から南側は高台になっている。細い坂道を登り、左側にJR西日暮里の駅のホームを俯瞰。「道灌山」と呼ばれている高台の上に出る。今はビルなどでよくわからないが、昔はいい眺めだったに違いない。

そこには、「歴史と文化の散歩道」というプレートがある。ほっほー、都内の散歩コースがいくつもここに掲載されている。23のコースがあり、各コースは数キロメートルと歩くのにはいい距離だ。できればこのコースを全部歩いてみたいなぁと思う。

道なりに歩くと、右側に立て看板が見える。第一日暮里小学校の前。「本校は彫刻家の高村光太郎氏が卒業がした小学校です。高村光太郎書『正直親切』の碑がございます。どうぞご自由にご覧ください」とある。敷地内に入ると、たしかに「正直親切」という碑がある。

暴れんぼう将軍の腰かけ石とハイテク神社

自動的に水が出る。現代的でもあり、何とも不思議な気分
道なりにしばらく行くとお寺や神社も見えてくる。浄光寺である。荒川区教育委員会が建てた看板がある。浄光寺は雪景色が素晴らしいということで、別名「雪見寺」とも呼ばれているとある。寒く、曇った天気だけれど、まだ雪は降らない。山門をくぐってみる。そこにはお地蔵様が並んでいる。時代を経て黒ずんだ石地蔵に赤の帽子と前掛けがまぶしい。掃除の行き届いたきれいなお寺だ。八代将軍徳川吉宗が遊猟の際に腰を下ろしたという“将軍腰かけの石”を見ることもできる。

鳥居があり、そこは諏方神社。手洗い場には、半紙に筆文字。なにかと見れば「センサーにより滝口に近づきますと水が出ます」とある。なるほど、ひしゃくなどが置かれた水場に行くと確かに水が出てくる。現代のテクノロジーと昔のままのものが融合されていて、不思議な気分だ。

境内を抜けると眼前に景色が広がる。山手線の線路が見下ろせる。その向こう側にあるマンションなども下に見ることができる。ここにも教育委員会の建てた看板がある。タイトルは「諏訪台」。読んでみよう。「諏訪台は縄文・弥生時代から人々が生活を営んでいた場所であり、景勝の地としても知られている」とある。なるほどいい眺め。
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