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2.1PRIDEヒョ-ドルvsノゲイラ戦 消滅の謎に迫る 「なぜ王座統一戦は消えたのか」(2ページ目)

昨年秋から、 PRIDE大阪大会の目玉カードとして喧伝されてきたヒョ-ドルvsノゲイラの王座統一戦が突如消滅した。この謎に、年末三大興行抗争の影を見る。

執筆者:井田 英登

今年、ライバル団体のK-1はこの春をメドに新路線K-1 MMAの旗揚げを構想中と言われている。

噂通りボブ・サップメインの総合格闘技興行となるのであれば、選手調達の最初の標的はヘビー級選手の宝庫であるPRIDE以外にない。まして、昨年末の選手引き抜き競争の直接の相手となった猪木祭り陣営(Kコンフィデンス)は、現在K-1 との関係修復が言われている。PRIDEにすれば、資金力に富んだ両者が手を握って、仁義なき引き抜き攻勢に出てくることが最大の脅威となる。

K-1 MMAの旗揚げ時期にぶつけるようにGP開幕を宣言した背景には、人気選手の離脱を防ぎ、エース級16選手のキープを意図したのではないかという想像が成り立つ。

今回発表された大阪大会の選手ラインナップには、ファンからも一斉に不満の声が上がった。

ファン軽視のそしりを受けても言い訳のできない二線級ラインナップに「もうすこし何とかなったのではないか?」という意見も多い。だが、GPに絡まない選手だけで防衛線を張ったと考えれば、お払い箱になっていたマーク・ケァーの再登場や、トップ戦線から外れつつあったヒース・ヒ-リングの起用もうなづける。あえて、“ピークアウト”(本戦前の追い込み)と位置付けてミルコを安全パイと見られるロン・ウォーターマンに当てたのも、うっかりすればすぐどこに飛んで行ってしまうか判らない移り気なミルコを、連戦でキープしようという意図が読み取れる。かといって、ノゲイラ、ヒョ-ドル戦をバラして、それぞれに安全パイのシングルマッチをあてがえば、統一戦消滅のアリバイが主張できない。その結果が、このラインナップとなったのではないだろうか。

その余波で楽しみにしていた王座統一選を不意にされた関西のファンはいい面の皮だが、PRIDE自体の存続がかかった緊急事態に、非常手段を発動させたとすれば、ぴったり帳尻が合う。


こう考えてくると、やはり年末抗争の三すくみの構図はまだ終わっていないと考えるべきなのかも知れない。
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