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松井稼頭央、成功過程で見つけた仕分け作業(2ページ目)

松井稼頭央内野手が5月19日にアストロズを解雇され、5月25日に古巣であるロッキーズとマイナー契約を交わした。ロッキーズという成功した環境に戻れたことは、間違いなくプラス。まだまだ衰えはしないだろう。

瀬戸口 仁

執筆者:瀬戸口 仁

野球・メジャーリーグガイド

松井稼頭央、身につけた「仕分け」作業

もうひとつ成功の秘訣を挙げると、不必要なアドバイスを聞き流すことができるようになったことだ。松井稼がメッツで失敗し、ロッキーズで成功した理由ははっきりしている。それには現エンゼルスの松井秀を例に出すと非常にわかりやすい。松井秀のもとには巨人時代もヤンキース時代も多くのOBやマスコミが押し寄せ、「巨人軍とは」「打撃とは」「守備とは」「ヤンキースとは」「メジャーとは」など様々なアドバイスを送った。その全てを笑顔で聞いた松井秀は、自分にプラスになるものとプラスにならないもの(マイナスになるもの)を”仕分け”して、プラスになるものだけを取り入れた。

ところが、松井稼は違った。西武時代はそうでもなかったが、鳴り物入りで入団したメッツでは、監督、コーチを含めた球団関係者、ニューヨークのうるさ型のメディアがそれこそ様々なアドバイスを浴びせ、それらを全て受け入れようとしてしまった。つまり、松井秀のように不必要なものを聞き流すことができなかったのだ。これでは頭が混乱してしまい、自分を見失う。メジャー1年目で20個以上の失策をおかして遊撃手失格の烙印を押され、二塁へコンバートされた2年目も本来の力は発揮できず、結局、2年半でメッツをニューヨークを追われたのである。

今は、成功法則を身に付けている。ロッキーズという成功した環境に戻れたことは、間違いなくプラス。体を鍛え抜いている34歳は、まだまだ衰えはしないだろう。

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