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マスターズリーグ観戦記(2ページ目)

2006-7年シーズンで6年目を迎える、プロ野球マスターズリーグ。毎年恒例となった正月開催(1月2日)試合の観戦記。

執筆者:コモエスタ 坂本

マスターズリーグの目玉、村田兆治


試合は3回表裏に両チーム1点ずつを加えるものの、依然として札幌ペースが進む。両チームが繰り出す投手が打線をよく抑え、あまり見せ場のないまま、試合は中盤~終盤へと進む。通常のプロ野球を見ている目で見れば、打者はパワー不足だし、内外野の守備はゆるい。しかしそれは仕方がないことなのだ。それを前提に、往年の名選手が時折見せる好守備や、技が光るナイスバッティングを楽しむのが、マスターズリーグというものかもしれない。

男・村田兆治登場
男・村田兆治登場
そんなやや中だるみの雰囲気の中で、急に観客が沸き上がったのは6回裏のことだ。東京ドリームスの「昭和生まれの明治男」村田兆治がマウンドに登場したのだ。奇しくも昨年、私は村田兆治に関する原稿を書いた。村田は、「140キロを投げられなければ、もう二度とマスターズリーグには出場しない」と宣言している。

村田が投球練習を始める。観客は村田の「マサカリ投法」と呼ばれる投球フォームを眺め、球の行方を見守り、そしておもむろにバックスクリーン電光掲示板の球速表示を確認する。現役当時といささかも変わらないフォームから投げ込まれる「140キロ」を見たいからだ。

札幌アンビシャスのこの回の攻撃、先頭バッターは4番の石毛宏典だ。石毛は四国アイランドリーグを運営しながらも、マスターズリーグには欠かさず参加している。ショートの守備も未だにサマになっている。

村田が石毛に投げ込む。初球。電光掲示板は140キロを記録する。どよめく観客席。そして第2球。今度は141キロだ!

正月もまだ2日だというのに、村田は万全のコンディションで試合に臨んでいた。まさに「男・兆治」の本領発揮である。この場面が、試合展開に関わらずこの日一番盛り上がったことは言うまでもない。

【マスターズリーグに望むもの】→
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