はじめに
コモエスタ坂本氏のナビゲーションにより、日本プロ野球のある試合を観戦する機会を得た。日本にはセントラル・リーグとパシフィック・リーグの2つのリーグがあり、東京ジャイアンツを擁する前者の方が人気が高い。今日、私はその後者であるパシフィック・リーグのあるゲームを観る。西武ドームスタジアムでの千葉ロッテマリーンズと西武ライオンズの最終戦だ。日本プロ野球は今年、重大な岐路を迎えた。シーズン途中の6月、パシフィック・リーグの2つの球団が経営不振を理由とした、来シーズンからの合併を発表した。2つのリーグはそれぞれ6つのチーム、合計12チームあるのだが、それが11球団になるということで日本中を巻き込んだ大騒動となった。
今日ゲームを行う両チームは、合併と関係ないのだが、選手会全体がこの合併に反対したため、数日前に日本プロ野球史上初のストライキが決行された。このストライキによって2ゲームが中止になり、日程が大詰めの中で、レギュラーシーズンが再開されたばかりなのだ。
西武ドームへの道
多摩湖の向こうの西武ドーム |
車を止め、スタジアムへと向かう。スタジアムの前に鉄道駅がある。ライオンズのオーナーである西武は鉄道会社だ。一方のマリーンズのオーナーは、ロッテという製菓メーカーで、韓国でも球団を保有している。
西武ドームの中へ
西武ドーム入場口 |
スタンドを見渡すと、観衆の位置どりが偏っていることに気がつく。外野スタンドとその周辺だけが満員で、内野には空席が目立つのだ。この理由を聞くと、今日は自由席が無料で開放されるからだという。最終戦だからなのか、と尋ねるが、実際このような無料キャンペーンは、何かイベントにかこつけてしばしば行われるらしい。今日は最終戦であることに加え、ライオンズのあるピッチャーが引退試合に登板し、試合後にセレモニーを行うからだそうだ。
ゲーム開始
プレイボール。ゲームは6時に始まった。今日で選手生活を終えるライオンズのピッチャー、潮崎がマウンドに上がる。対するバッター、マリーンズの佐藤も今日のゲームをもって退役するようだ。マリーンズの監督は、かつてニューヨーク・メッツをワールド・シリーズに導いた、ボビー・バレンタインだ。ライオンズはパシフィック・リーグ2位を確保し、ポストシーズンゲームを確定させているが、マリーンズはこのゲームを落とすとそのチャンスを失う。しかしこの引退セレモニーは、この重要な公式のゲームの中で行われる。なかなか不思議なシーンだ。最終対決は、潮崎が佐藤をライトフライに抑える。1アウトの後で、本当のゲームが始まり、ライオンズの本当のスターター投手が登場する。アテネ五輪にも出場した、台湾人のチャンだ。対するマリーンズのスターターは清水、彼もアテネ五輪プレーヤーだ。ゲームは静かに進行する。
【ホームラン、またホームラン】に続く→