『野球王国』四国のバックグラウンド

野球王国と呼ばれ、野球熱の高さで知られる四国。独立野球リーグの存続を考えるにあたっての基礎データや背景を考察する。

■背景人口

四国4県の合計人口は約410万人、1県平均で約100万人だ。4県中で最大が愛媛県の約150万人、次いで香川県の約100万人、徳島県と高知県はそれぞれ約80万人である。日本の総人口約1億2000万人から比べると、四国全体の人口規模は約1/30ということになる。

現在、日本のプロ球団は12で、総人口約1億2000万人から1球団あたりの背景人口は1000万人と計算できる。アメリカは人口約3億人につきメジャーリーグ30球団であり、日本同様に背景人口1000万人となる。これらをもって1000万人=1球団説がよく言われるが、例えば韓国は総人口約4000万人で8球団(背景人口500万人)で、台湾は約2000万人に6球団(背景人口300万人)であり、背景人口単位による適正球団数を一概に言うことはできない。どの国も球団・リーグ経営的に厳しい状況ではあるが、上記4か国では以上のような球団数で野球のトップリーグとしての安定構造が保たれている。

それら各国のトップリーグと比較すると、四国独立リーグの各チームが背景人口約100万人につき1球団というのは、選手確保の面はさておき、観客収入等の面から興業的に成立するにはボーダーラインかもしれない。参考だが、キューバは総人口約1100万人に対してトップリーグの球団数が16で、背景人口は1球団あたり70万人だ。もちろん国情や成立背景が異なるので何とも言えないが、背景人口100万人の球団モデルの成立が不可能ということではないだろう。

※2004年5月1日の推計人口:
徳島県=816,163人、香川県=1,019,335人、愛媛県=1,477,307人、高知県=803,838人

■四国の高校野球

2004年春センバツ優勝、夏準優勝の済美(愛媛)や、夏の甲子園7回連続出場の明徳義塾(高知)を例に挙げるまでもなく、高校野球は学校数に比しても全国的に上位レベルと言うことができるだろう。

2004年夏の高校野球地方大会にエントリーしたチーム数は四国全体で168チーム。野球部員数を考えると数千人である。各県ごとのチーム数は、徳島県=35、香川県=38、愛媛県=63、高知県=32である。

※四国の代表的な野球名門校:
徳島県=徳島商・池田・鳴門工
香川県=尽誠学園・高松商
愛媛県=済美・松山商・宇和島東・川之江
高知県=明徳義塾・高知商

■四国の社会人野球

高校野球の隆盛とは反対に、四国経済の地盤沈下とともに社会人野球は苦戦を強いられている。社会人野球日本野球連盟の加盟チームは四国全体で4チームで、1県1チームである。全国の日本野球連盟加盟チーム数314チームに比べると、相対的に少ない。

高度成長時代の最盛期には加盟チーム19あったのだが、平成以降は4チーム時代が続いている。愛媛県では1999年にNTT四国野球部が解散し、代わりにクラブチームの松山フェニックスが発足した。四国全体では、企業チームが2・クラブチームが2である。

※四国の社会人野球チーム:
徳島県=徳島野球倶楽部
香川県=JR四国
愛媛県=松山フェニックス
高知県=四国銀行

■四国の野球場

四国4県の各チームに必要な、本拠地候補の球場をリストアップしよう。

徳島県:県営鳴門球場・県営徳島球場
香川県:香川県営オリーブスタジアム
愛媛県:松山坊ちゃんスタジアム・今治市営球場
高知県:県営春野球場・高知市営球場

【徳島県営鳴門球場】
県庁所在地徳島市よりも鳴門市にある県営球場の方が設備が良い。徳島駅からJR鳴門線で鳴門駅まで約35分、鳴門駅からバス等で約20分。両翼92メートル、センター120メートルで2万人収容。

【オリーブスタジアム】
高松駅からバス等で約20分。両翼96メートル、センター122メートルで2万2000人収容。

【坊ちゃんスタジアム】
予讃線で松山駅から3分、市坪駅前に位置する。高松駅からバス等で約20分。両翼99.1メートル、センター122メートルで3万人収容。

【高知県営春野球場】
プロ野球チームの春期キャンプやかつての黒潮リーグ(秋季リーグ)の開催地で知られ、公式戦可能な広さの球場もいくつかある高知県だが、ナイター設備のある球場がない。西武ライオンズが以前キャンプ地にしていた春野球場はその中では設備が良い。高知駅からバス等で30分。両翼91メートル、センター120メートルで1万5000人収容。