「天皇杯優勝チームは翌年不振」というジンクス
過去数年を振り返ると、優勝チームは翌シーズンに降格もしくは成績が不振になるという意外な傾向がある。98年度に横浜フリューゲルスが消滅前に有終の美を飾ると、翌99年は名古屋が制覇。しかし、1stステージは12位、2ndステージも7位と低迷する。2000年度優勝の鹿島は翌シーズンの2ndステージは2年連続で制するものの、1stステージは11位と不振にあえいだ。2001年度の清水は逆に1stステージで7位と健闘したものの、2ndステージは12位と下降した。加えて、2002年度の京都と2003年度の東京ヴェルディ1969は揃って降格。間の2004年の磐田も1stステージは2位だったものの、2ndステージでは13位と大きく後退してしまった。オフシーズンが短くなる、という弊害が関係しているのかもしれない。
■天皇杯優勝チームとリーグ戦の関係
年度 | 優勝チーム | 翌年の成績 (1st、2nd) |
その年の 成績(1st、2nd) |
98 | 横浜フ | 消滅 | 8位、7位 |
99 | 名古屋 | 12位、7位 | 8位、2位 |
00 | 鹿島 | 11位、1位 | 8位、1位 |
01 | 清水 | 7位、12位 | 4位、4位 |
02 | 京都 | 降格 | 6位、7位(※1) |
03 | 磐田 | 2位、13位 | 2位、3位(※2) |
04 | 東京V | 降格 | 9位、9位 |
05 | 浦和 | ? | 2位(※3) |
※1、2002年シーズンの2ndステージは5位のFC東京~7位の京都まで勝ち点が同じ
※2、2003年シーズンの2ndステージは1位の横浜FM~3位の磐田まで勝ち点が同じ
※3、2005年シーズンは1シーズン制
05年度の優勝は浦和だったが、今シーズンの浦和は好調でそれまでのジンクスを見事に破っている。天皇杯を制した時のブッフバルト監督のコメントでは彼らの自信が現れており、今シーズン開幕前も降格した東京ヴェルディ1969からワシントンや相馬崇人、元日本代表でもある黒部光昭を獲得、そして小野伸二もフェイエノールトから復帰し、万全の体制でリーグ戦に臨んだ。それだけにブッフバルト監督のコメントもうなずける。
J1勢中心の今年度、J2札幌の意地に期待
今年で86回目を迎える天皇杯は既に本大会の4回戦までが終了し、ここから出場したJ1チームがほとんど勝ちあがっている。唯一残ったJ2の札幌はナビスコカップを制した千葉を倒して5回戦に進出している。J1だけが残ってしまうとナビスコカップと変わらなくなってしまうため、J2の生き残りの札幌に注目と期待が集まる。過去の優勝チームの傾向を調べると、2ndステージの成績が1stステージ以上という傾向がある。チームの状態が上向きということから当たり前といえば当たり前だが、先でも述べたように優勝争いをしたチームは主力を休ませたり等の理由も考えられる。
いずれにせよ、リーグ戦とは一味違った戦いを見にスタジアムへ行ってみてはいかがだろう?
関連情報
・第86回天皇杯(ニッカンスポーツ)
・歴代優勝チーム(ニッカンスポーツ)