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フィジカルとスタミナが十分の巻が鍵

ドイツ戦で良い結果を残したものの、高原と柳沢が負傷した。共に大事には至らなかったものの、本番に向けて不安が残る。

執筆者:杉浦 義宏

怪我人続出

ドイツ戦で良い結果を残した日本攻撃陣だが、高原直泰は右膝を、柳沢敦も右足のハムストリング(腿の裏側)をそれぞれ痛めたため別メニューとなった。したがって、ワールドカップ本番前の最後になるマルタ戦には玉田圭司と大黒将志を先発で起用する事になりそうだ。その他、右ウイングバックの加地亮はシュバインシュタイガーの悪質なタックルを受けて途中退場し、2日の練習もプールで調整するだけにとどまった。

本番ともなれば激しい戦いになる事は間違いない。加地のような怪我も十分ありえる。現主将の宮本恒靖も2002年の日韓ワールドカップでは、初戦のベルギー戦で主将の森岡隆三の負傷により途中出場した。つまりどのポジションにおいても非常事態を想定しておかなければならない。特に、現在宮本が務める3バックの中央や、劣勢の時に起用する可能性のあるFWに替えがいないという状況は避けたいところだ。

タフな巻に期待

そういった中で期待したい選手がサプライズメンバーの巻誠一郎だろう。

FWでは最後の5番手として考えられているようだが、フィジカルがあるので最前線で体を張れる。本番ではカウンター重視になって、劣勢になる試合がどうしても出てくる。守備は攻撃以上に疲労が出るため、少しでも休む時間、つまり自分たちのボールポゼッション時間が欲しい。そういうときこそ巻が重宝される。

しかも、巻は前線から相手選手へプレスをかける事を惜しまない。今シーズンのJリーグ第10節の大分戦では途中交代をしたものの、オシム監督の指示通りに相手DFのロングボールを防ぐために必死に相手のストッパーに詰めた。また、代表メンバー発表直前の5月14日には前日のスコットランド戦が終わって深夜に静岡に到着し、5時間しか睡眠を取れなくてもナビスコカップの清水戦に後半29分から出場した。オシム監督に鍛え上げられたスタミナも十分あり、使い減りしないだろう。

巻の起用法が日本代表の運命を握るかもしれない。


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