イングランド遠征第2戦、イングランドとの戦いは1-1で引き分けた。オーウェンに先制点を許したが、後半に小野が同点ゴールを決めた。この遠征は1勝1分、9日には埼玉スタジアムでインド戦を戦う。レポートは現地から元川悦子さんです。
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背番号10・中村俊輔に復活の予感
日本、イングランド相手に1-1のドロー
イングランドに開始20分間はやりたい放題のサッカーをされてしまったジーコジャパン。けれども前半を1失点に抑え、後半は日本らしい小気味いいパス回しから攻撃の形を演出。新リーダー・小野伸二(フェイエノールト)の同点弾で勝負を振り出しに戻した。このゲームの最大の収穫は、不振を極めていた中村俊輔(レッジーナ)に「復活の予感」が強く感じられたこと。本人にも手ごたえがあったのか、試合後はいつになく饒舌だった……。
6月9日の2006年ドイツワールドカップアジア1次予選・インド戦(埼玉)を控え、イングランド遠征中の日本代表。1日は20時からマンチェスター・シティの本拠地「シティ・オブ・マンチェスター」でイングランド代表と対戦。エースFWオーウェンに先制点を許したものの、日本も小野のゴールで同点においつき、1-1で引き分けた。
灰色のマンチェスターが一段とどんよりした。この日は朝から冷たい雨。午後からようやく晴れ間が除いたが、キックオフ時の気温は18時と肌寒かった。ユーロ2004(ポルトガル)を直前の調整試合だったが、平日ということもあるのか、スタンドはところどころ空席が見られた。
ジーコジャパンにとっては、インド戦の準備であるとともに、「世界標準」を再確認するための重要なゲーム。指揮官が送り出したスタメンはアイスランド戦と全く同じだった。つまり、GK楢崎正剛(名古屋)、DF宮本恒靖(G大阪=中)、坪井慶介(浦和=右)、中澤佑二(横浜=左)、ボランチ・小野、稲本潤一(フラム)、右サイド・加地亮(FC東京)、左サイド・三都主アレサンドロ(浦和)、トップ下・中村、FW久保竜彦(横浜)、玉田圭司(柏)という顔ぶれだ。
一方のイングランドは6月13日のフランスとのユーロ初戦を想定。GKジェイムズ、DF(右から)G・ネビル、テリー、キャンベル、A・コール、ボランチ・ランパード、右MF・ベッカム、左MFジェラード、トップ下・スコールズ、FW・オーウェン、ルーニーという最強メンバーでのぞんできた。
開始20分間のイングランドは圧倒的な実力を見せ付けた。ベッカムらダイヤモンド型の中盤がボールを支配。面白いようにパスを回してゴール前に攻め込んできた。日本はプレスをかけるポイントが見つからず、まるでボールを奪えなかった。それでも前半22分のオーウェンの先制点以降は、少しずつ流れが変わってくる。イングランドは安堵と疲労感からか、運動量が激減。攻撃チャンスも少なくなっていった。日本はそんな相手のスキを見逃さず、じわじわとペースを握る。29分の中村のミドルシュートがGKジェイムスの両手をかすめてからは、さらに日本ペースが加速した。
※後半の試合展開は次ページに
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