■ジーコ監督
「強い相手であるチェコに対してスカウチィングをして、戦い方を確認した。前半からいい形を作って1点を取れたのは大きかった。相手も強いと感じた。後半は相手が7人変えてきたので、相手の特徴をつかむまでバタバタしたが、その後、守りからカウンターの形が作れた。チェコもいい形を作ったが、楢崎のファインセーブに救われた。高いトップにボールを当てて中盤の選手に落とす形だったから、日本のMFがよくマークについた。厳しいゲームだったが、チェコ相手に大きな1勝だったと思う」
……メンバーはハンガリー戦と変わりないのに、ハンガリー戦よりよくなったのはなぜか?
「短い時間で日数が少ないので、一番慣れているシステムでやらせたし、前の試合から数日間で修正をした。あとはクラブと同じポジションでやらせた。藤田を除いては。藤田はいつも左サイドだけど、真ん中でもできる。あとは息が合えばミスを繰り返さなければイケルということをミーティングで確認した。実際にミスをせずに守ってくれた。気持ちの強さも出たし。でもハンガリー戦も悪くはない。あのコンディションではよくやったし、チーム力も向上している」
……久保と玉田の出来は?
「ムイントベーネ(とってもよかった)。チャンスも多く作っていたし。久保はボールを持ってどんどんゴールに向かっていく。ヨーロッパの選手には強いし、素早さと度胸がある。玉田も味方にスペースを作ったりクロスを入れたりして、相手の最終ラインを霍乱していた。柳沢もドリブルで積極的につっかけていった。取り消されたゴールはよかったが、全体に向かっていく勇気がよかった」
……東欧遠征全体を総括すると?
「強い相手に対しても、技術が通用し、勝てることが分かった。自分たちに自信を持てるようになったことが大きい。もちろん予選は相手が違うから1つ1つ対処していかないといけない。大事なのは戦術以前に自信を持つことだ。課題はハイクロスと高い相手への対応だ」
……欧州組優先を見直す気はないのか?
「基本的に欧州組のクオリティが高いことは変わらない。しかし彼らの状態、試合に出ているか、フィジカルコンディションを見極めることは大事。国内組といっても大きな差があるわけではない。実際、コンディションもいいし、チームとしてのコンビもできているので、これをいかに生かすかだ。同じチーム内に多くのいい選手がいる。欧州組のクオリティの高さは事実だが、コンディションのいい選手を投入していきたい。最初に欧州組を出して、苦しくなったらコンディションのいい国内組を出すのは、私の戦術だ。いろんな選手がいることはいいことだと思う」
・