人材育成という観点で言うと、サッカーにかかわる場ができたのも大きい変化だろう。前述のとおり中津江村にはレリオン中津江というサッカーチームが結成された。レリオンとはフランス語で"le lion"と表記し、ライオンを意味する。もちろん「不屈のライオン」と呼ばれるカメルーン代表にちなんでの命名だ。チームの練習は毎週水曜日の夕方に鯛生スポーツセンターにて。世代間交流と、スポーツを通じてのコミュニケーションが続いており、鳥栖の二次キャンプ中には鳥栖のスタッフとレリオン中津江が試合を行うなど外部との交流もあるという。もちろんそうした交流はチームが存在するからできるわけだ。
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もちろん中津江村に問題がないわけではない。中津江村というのは非常に広い範囲にまたがっており、自動車を持たない人たちにとっては移動するのが困難な地域でもある。そのため、子どもたちを中心に練習への参加人数が減る傾向にあるという。村民に芽生えた誇りと、それをサッカーという形で実践する組織は生まれた。しかしその組織を利用する手段がない。そうした問題をどのようにクリアしていくのかは、今後の課題となる。
2004.3.4 Reported by 江藤高志
江藤高志氏のHP:ふっとぼうず
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