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……中田がルーマニア戦の後「今の日本代表はコミュニケーションが足りない」と言っていたが、それについては?
「確かに自分も、彼らの間でピッチ上でのコミュニケーションが不足していると思う。それは日本人の国民性による部分が大きい。私は日本のサッカーを12年見てきたが、周囲に支持を与えるという作業を日本人はできないし、口に出して物事を言うことが非常に少ないと感じる。
本当のコミュニケーションというのは、「フリーで今、ボールを受けられるのか」「自分が突破した時、周囲にどう動いてほしいか」といったこと指示すること。決して周囲を批判することではない。中田のような国際経験の豊富な選手から見ると、それが少ないように見えるのだろう。それは日本代表にとって大きな課題だ。
先日、女子バレーのワールドカップを間近で見る機会に恵まれたが、選手が物凄く声を出していた。コートが狭いこともあって、監督の指示もすぐ伝わっていた。私としてはすごくうらやましかった。あれくらい声を出していないと、チームとして機能しない。それを課題として取り組みたい」
……2トップの高原と柳沢が所属クラブで試合に出ていないが、不安はないか?
「それは本当に心配だ。以前、稲本も同じ状況にあったが、あれだけ才能のある選手でもゲームに出ないと一瞬の狂いが出てくる。アクションも伴わない状況が出てくる。ブラジル代表のパレイラ監督にしても、最近のリバウドに不安を抱えている。試合カンは必ず落ちる。リカバーするのにも多少の犠牲が生じる。とはいえ、試合カンが劣っているからといって、招集しないわけじゃない」
……永田は直後にワールドユースを控えているが?
「これからも各年代の代表の活動と重なることがある。その際はプライオリティを考えたいし、悪い形にならないようにしたい。彼には3日くらいA代表に来てもらうことになる。20日からはUAEに向かう予定だが、U-20代表の活動に支障はない。むしろA代表の活動がプラスになるだろう。
彼はレイソルで右センターバックをやっているが、チームでの動きを見ると、代表の控えとして大きな期待ができる。だから呼んだし、この経験がU-20でのプレーに役立つはずだ。彼にはこの経験をワールドユースに生かしてほしいし、A代表の誇りをチームメートに伝えてもらいたい」
……柳沢に期待することは?
「全てのFWに期待することだが、とにかくこの前の2試合のようにゴールに期待したい。あの得点によって、これまで代表で悩んでいたことが吹っ切れたのではないか。今、イタリアに行ったのは、状況を変えて新たなことに取り組むのにいい時期だった。彼にはもともとの持ち味である2列目のスペースを空けたり、サイドを突破したりするということも含め、幅広い動きをしてほしい」
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