初夏の風物詩のホタル。今ではなかなか自然の形ではホタルの光を見ることもできなくなりましたが、地方や保存会などのイベントとしてホタルを見ることができます。

きれいなホタルの光を見ていると、それを写真に撮りたいとケータイやコンパクトカメラを取り出して撮影する方も多くいます。しかし、なかなかうまく撮れないのがホタルの光。かすかなホタルの光を撮るにはポイントを押さえた撮影方法を知る必要があります。

それでは、そのホタルの輝きを写真に撮る方法をご紹介していきましょう。

ホタル撮影に必要な道具は三つ

ホタル撮影
ホタルの撮影に必要な道具、カメラ、三脚、レリーズシャッター

ホタルの光を撮るには、最低限必要な道具が三つあります。それは、デジタル一眼レフ、三脚、レリーズシャッターの三点です。

わずかに光るホタルの輝きを撮るのには、カメラを固定して長時間シャッターを開いて感光させる必要があります。そのために三脚にカメラを備えつけ、シャッターを長時間露光させている間シャッターを押し続けるのに使うレリーズシャッターが必要になります。

シャッターを長時間開かせるためには、バルブ(Bと表記される)設定というシャッターモードを使います。これはデジタル一眼レフには搭載されています。コンパクトデジカメでも上位機種には一部付いているものもあります。

それ以外のコンパクトデジタルカメラでは、バルブ設定での撮影はできませんが、夜景モードに設定することで長時間露光の撮影は可能です。ただし、撮影時間は、カメラ任せになるため撮影のタイミングは取りづらくなります。

ホタルの光を撮るのに、フラッシュを光らしても撮れません。また、周囲で長時間露光でホタルの光を撮影している方に影響を及ぼすのでホタルを撮るときにフラッシュを光らしたり周囲を照らしたりすることはマナーとして避けましょう。

【実際にホタルが飛ぶ様子の動画】

ホタルの撮影前にフレームを作り、ピント合わせを

ホタル撮影
黄色いラインのホタルの光跡を写した写真。このようなホタルの写真はポイントを押さえれば誰でも撮ることができます

今回紹介するホタルの撮影方法は、マニュアル設定を多用します。日頃オート設定で撮影している方は、撮影前にカメラの設定を済ませておくのがよいでしょう。現場は暗いので落ち着いてカメラの設定をすることができない場合があります。

まず、ISOの設定値を決めます。これは撮影状況によりますが、感度が高ければ小さな光でも写るのですが、画面にノイズが発生しやすくなります。きれいな画像にしたいのであればできるだけ低い感度、高くしてもISO400程度までには抑えた方がいいでしょう。

撮影モードをマニュアル(M)にして、シャッタースピードをバルブ(B)に設定します。レリーズシャッターをつけて、バルブ撮影ができるようになっているか事前に確認しておきます。ここでは絞りはレンズの開放値で設定します。絞りは状況に応じて変えて撮ってみてください。

ここまで出来たら、三脚にカメラを取り付けて、撮影する方向にレンズを向けます。

ホタルの飛ぶ範囲はある程度広いので35ミリまでの広角サイズでフレーミングを作ります。フレーム内に電灯など明るいものがあると長時間露光する際に露出オーバーになり真白に写るので、光ホタル以外に光るものは入れないようにします。

フレームが出来上がったら、ピントを合わせておきます。ピントを合わせる位置は、最もホタルが光る場所を中心にします。距離が遠く場合や奥行きが深い場所なら、無限大(∞)に設定してもいいでしょう。暗いところでピント合わせが難しいときは、レンズの距離計を利用して、カメラからピントを合わせたい場所の距離を目安に合わせるようにします。

ここまで出来たら、あとは光るホタルに向かってシャッターを押して撮るだけです。シャッターを開いている時間は、特に決まった秒数があるわけではありません。ホタルの光り具合を見極めてシャッターの開閉をしていきます。最長でも2分程度を目途に何枚か撮影してから写り具合を確認してみてください。

広角サイズのレンズでフレームを作り、遠くのほうで少しホタルが飛んだ程度では画像にあまり写らない場合もあります。できるだけレンズに近い位置でホタルが飛ぶところで撮るのがポイントです。


スマホでホタルを撮る場合のコツはマニュアル設定

最近は手軽にスマホのカメラでホタルの撮影をしたいという場面もあります。スマホのオートモードだけでの撮影では、ホタルの微弱な光は写しにくいのですがマニュアル設定ができれば撮影は可能です。

スマホのカメラのマニュアル設定は、マニュアル操作ができるアプリを介して行います。アプリの一例では、Adobe Photoshop Lightroom mobileが挙げられます。

撮影方法は一眼機を使った時とほぼ同じです。スマホを三脚に取り付け手ブレを起こさないようにセッティングします。

マニュアルモードでは、ISO感度を400程度に設定しますが光が遠かったり少ない場合はそれ以上の設定値にします。シャッタースピードは、スロースピードに設定します。Lightroom Mobileの場合、1/4秒が最もスローな速度になっています。何秒間隔で撮るかはホタルの飛び具合などで決定します。撮影した写真を再生し写真を確認してシャッタースピードを微調整していくとよいでしょう。

シャッターボタンを押すときにスマホ本体を動かしてしまわないように軽く画面をタッチします。写真は同じ場所で複数枚撮影していきます。


合成させるのであれば、同じフレームで何枚も撮影

前のページに載せたホタルの光が写る写真、実は一度のシャッター開閉で撮ったものではありません。

同じフレームにて何回もシャッターを切って撮影した画像を合成した一枚です。このような合成画像にする理由は、どこを飛ぶのかわからず、ホタルの光が小さいため一度のシャッター開閉ではあまりたくさんの光を写せないためです。

そのため、何度も撮影した画像を重ね合わせて一枚の画像にするという手法がホタルの写真ではよく用いられます。

下記の写真は、それぞれ一回の撮影で撮れたホタルの光跡の写真です。

ホタル撮影
レンズの絞りF2.8でシャッターを開いていた秒数は52秒、ISO感度は400。左右全体に広がって光跡が写っています

ホタル撮影
絞り、ISO感度は上の写真と同じで、25秒撮影。手前のタテに大きく光跡が写りました

これらを合成して画面全体に光跡が広がる写真にできれば理想的なわけです。(合成した写真は次のページでご覧いただけます)

合成を前提に撮影する場合に気をつけるポイントは、三脚に備えつけたカメラや三脚が撮影中に動かないようにすること同じフレームで写ってないと合成したときに背景がずれて見えてしまうからです

合成させたくない場合は、出来るだけレンズに近くたくさんホタルが飛ぶところにカメラを設置して撮影させるようにするのがよいでしょう。ただ、デジカメで長時間露光するとノイズの発生が多くなる点に気をつける必要があります。

合成はレイヤーを使って

細かに撮影した画像を合成させるには、画像編集ソフトを使います。市販のソフトでもフリーシェアされている画像ソフトでも合成させることができます。

レイヤーという機能を使うと簡単に合成ができます。

前にページでご覧いただいた写真の他、6枚の写真を合成させて出来た写真がこちらです。

ホタル撮影
同じ場所で撮った6枚の写真を合成して一枚にまとめたもの。真ん中の奥を中心にたくさんのホタルの光跡が写っているのがわかります

合成させてから全体をやや明るく整えました。30秒から1分以上撮影した画像を6枚重ねているので合計数分間感光させて写したのがこの写真です。ホタルのわずかな光でもシャッターを長い時間開いていることでこのような光跡を写すことができます。

ホタルの写真はこのようにやや手間はかかるものの、出来上がるとなんとも言えない達成感が得られ感動的です。

近くにホタルを見ることができる場所があれば一度お試しになってください。

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写真・テキスト 瀬川陣市
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