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雄大な干潟・河口域でシーバスを攻略!前編

日中は潮干狩りでにぎわう干潟もシーバスの住処です。今回から干潟、河口域を攻めるたいと思います。

執筆者:中山 一弘

前回「シーバス実釣編!港湾ゲームを楽しむ後編」に引き続き、シーバスを釣るための講座第9回目。今回から広大な干潟と河口域を狙います!

干潟・河口ってどこ?

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干潮時には海底が露出する。土砂や砂泥で作られた干潟は海のゆりかごと呼ばれる
東京湾など大型の湾や、比較的潮流が緩くなるような地形に河川が注ぐと土砂が堆積する。その土砂を海が洗い、何百年もかけて作られるのが「干潟」だ。この干潟は干潮時に海底が露出するほど浅く、プランクトンや小型生物が豊富なため、「海のゆりかご」などと言われることもある。

一方の河口域というのは、河川と海がぶつかるあたりを指す。海水と真水が交わる「汽水」とよばれる範囲が広がっていて、海水と淡水それぞれの生物層が集まる生命感溢れる場所だ。

こうした場所に、シーバスは餌を求めてやってくる。干潮時に海底が露出するところではなく、河川や潮流の流れによってできるエグレた部分(ミオ筋)や、海に落ち込むブレイクラインに沿って回遊しているのだ。

干潟・河口のタックル

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干潟や河口では港湾よりも若干大きめのタックルで望もう
干潟と河口では厳密にはタックルが違うケースも出てくるが、ほぼ同じもので通用する。港湾編で解説したような正確なキャストよりも飛距離を重視するため、9ft前後のタックルを使うのがベスト。ラインも12lbから16lb、リールもやや大きめの道具立てで望みたい。ラインを太くするのは、大型の回遊も多いのでいつもよりもワンランク大きめのタックルになるという理由と、海底の土砂にラインが触れることがあるため、根ズレ対策の意味合いもある。ルアーはミノーが中心となる。飛距離を出したいので12cmを中心に、泳層が違うタイプを何種類か用意しておくとよいだろう。

また、必ずウェーダーとライフジャケットを用意しておくこと。河口では護岸から狙える場所もあるが、干潟ではほぼ水中を歩くことになる。具体的な歩き方などは後ほど解説するが、危険な釣りでもあるので安全対策は万全にしておくことが重要だ。ちなみに干潟ではタックルは最小限しか持ち込めない。ライフジャケットのポケットを最大限に活かせるよう、コンパクトにまとめる工夫も忘れないこと。

どこを狙う?

干潟と河口では狙い方が少し違う。干潟ではミオ筋やブレイクラインを主に攻めるのに対し、河口では橋脚や杭などの障害物があるため、ややテクニカルな攻め方をするケースも出てくる。

両者に共通しているのは「流れ」を釣るということ。障害物でもブレイクラインでも、流れがあるところにシーバスは回遊してくるので、そこで待ち受けるようなイメージだ。現地に行けば分かると思うが、干潟や大河川の河口域は非常に広大だ。この中でピンポイントでシーバスの居場所を探すよりは、どちらかというと「ここぞ」という場所で粘るほうが効率がよい。釣り仲間が増えて、情報を集められればそれにこしたことはないが、最初のうちは地元の釣具店が勧めてくれる場所で結果が出るまで通うのもひとつの方法だ。

また、潮汐によって流れが非常に強くなる場所でもあるから、絶対に単独では釣行しないでほしい。ひとりで行くときは足場の良い漁港周辺や護岸などをメインにすること。悲しいことだが、東京湾では毎年何人もの釣り人が亡くなっている。その多くが自然を甘くみてしまった結果、還らない人になっているのだ。最悪のケースにならないよう、少し臆病なぐらいの気持ちでいるとよいだろう。


グレーが干潟で、赤い矢印がこの地形の流れ。ポイントはブレイクラインやミオ筋の周囲、それに流れが複雑になるエリアだ。

>>まだまだ続きます、干潟・河口域攻略編!>>
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