シルバー・マーチ・ブラウンを巻く
日本で使われるウェットフライの中でも、もっともオーソドックスなパターンがシルバー・マーチ・ブラウンだ。いろいろな名手がオリジナルを作っているが、ここではウイングにターキークイルを使ったパターンを紹介しておこう。
ボディーに金色のマテリアルを使うと「ゴールド・マーチ・ブラウン」、シルクフロスのボディーにすると「プロフェッサー」というパターンが作れる。他にもウイングの取り付け角度や素材を変えることによって様々なシーンに対応できるようになるのもメリットだ。万能選手のこのフライは、季節を通して使えるので、ぜひ覚えて欲しい。
今回は、ハックルとテールはパートリッジ、ボディーに使うのはシルバーのフラットティンセル、リブ用のオーバルティンセル、そしてウイングにはターキークイルを使う。
下巻きしてテールを取り付け、フラットティンセルとオーバルティンセルを15cmぐらいにカットしてセットしておく。ボディーの太さを均一にしたいので、すべてのマテリアルの長さをシャンクに合わせるようにしよう。
スレッドをアイの手前3mmぐらいまで巻き戻したら、オーバーティンセルでボディーを作りって一度巻きとめる。リブ用のオーバーティンセルは隙間が均一になるように注意して巻いてゆき、同じ位置で巻きとめて余分をカットしよう。
オレンジ・パートリッジの要領でパートリッジのハックルを巻いたら、全てのハックルファイバーが下に向くよう指で撫で付けておく。ファイバーの長さはフックのポイントに掛かるか、ちょっと長めがよい。
スレッドでパートリッジのハックルを固定する。この部分は「スロート」と呼ばれるので覚えておこう。
左右のクイルからウイングになる部分を切り出す。太さはシャンクとフックの幅ぐらいにするのが基本。
裏同士を合わせて長さを決める。水平にしたときに終端が全長よりもちょっと長くなるようにするとキレイな形になる。測り終えたら手を持ち替えてスレッドで固定する。
ウイングの固定だが、最初は2回転ほど緩めにスレッドを掛けて一気に絞るように引っ張ってやると上手く行く。難しい作業なので何度も練習しよう。角度によってフライ全体の印象が変わるので、何通りか試してみると経験になる。
余分をカットしてスレッドで整形後、フィニッシュすれば完了。ヘッドセメントだけでも良いが、バーニッシュ(色の付いた保護材)やマニキュアでヘッドを作ると丈夫なフライが作れる。
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