街と美術館をつなぐ開放的なつくり
建物をつなぐガラス通路と屋外に設置された椿昇の作品 |
外に向って大きな窓を持つ展示室 |
中庭とオノ・ヨーコの作品 |
休憩スペースからは街の景色がよく見える |
4300平方メートルあまりの敷地に、大小様々なサイズの白い箱が点在、ガラスの通路でつながれたような分散型の建築で、それぞれが常設展示室、企画展示室、休憩スペース、市民活動スペースなど独立して機能を担っています。
一部の展示室や無料で利用することができる休憩スペースには大きなガラス窓が設けられ、建物を取り囲む芝生広場には街路から気軽に立ち入ることができるなど非常に開放的なつくりになっています。
設計者は、金沢21世紀美術館を手がけたSANAAの一員としても知られている建築家の西沢立衛。
「官庁街通り全体を美術館と見立てる」という全体構想に応えて、屋内の展示室と屋外のアート空間が入り交じり、人々の動きも建物から街へ、街から建物へと連続していくことを狙って設計されているそうです。
また、建物がそれぞれ独立していることにはもうひとつ理由があります。
この美術館の常設展示は、多数の収蔵品を集め、時期によって展示内容を変えるという旧来のスタイルではなく、国内外で活躍するアーティスト21人に、美術館に合ったここでしか見ることができない作品(コミッションワーク)を制作してもらい、それらを恒久展示するという方法が取られているためです。
展示室もひとつの空間として独立しているため、展示する作品に合わせて窓の有無を決めたり、最適なサイズに設計されているのです。
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