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JAL企業年金問題~「現役社員」はどうなる?

JAL企業年金問題のニュースを見て「ぼくら現役はどうなるんだろう?」と感じた人も多いと思います。退職金・企業年金の権利はどう守られているか仕組みを紹介します。来年は自分のことになるかも?そのとき、どうなる?

山崎 俊輔

執筆者:山崎 俊輔

企業年金・401kガイド

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JAL企業年金問題で「現役」はどうなる?

JALの企業年金は、報道によるとOBへ具体的な減額同意の取り付けに入ったようです。このテーマは、皆さんにいろいろな問題意識を植え付けたのではないかと思います。

このうち「金持ちだから減らされてもかまわない」とか「OBはガマンするのが当然」というような安直な考え方は適切ではないことについて、2回にわたってコラムを書いてみました。条件反射的に「減らされて当然」と思うことの危うさについて少し考えていただければ幸いです。

→ JALの年金減額問題をちゃんと知るための基礎知識:1
→ JALの年金減額問題をちゃんと知るための基礎知識:2

さて、今回は「現役社員」はどうなるか?について考えてみます。報道はもっぱら、OBの年金受給権の取り扱いについて紹介されていますが、現役社員も大きな影響を受けることが示唆されています。

会社を存続させるべきとき、また雇用(毎月の給料)を守るときに、どうしても退職金・企業年金の権利を減らしてもらうことがあります。これは優先順位を考えればやむを得ないことです。

しかし、採用している制度によって、現役の権利は大きな違いが生まれることをご存じですか? 制度によっては「保護される可能性が高い」制度、「減らされない制度」があるのです。

今回はJAL企業年金問題から「現役はどうなるか?」考えてみたいと思います。

退職一時金はもっとも不安定な仕組み

まず、退職金制度について考えてみます。退職したら現金で退職金がもらえる制度(それしか選択肢がない)を退職一時金制度と呼びます。一番なじみのある制度だと思います。しかし、特に外部積立も行っていない退職金制度は、実は受給権を考えるとき、もっとも不安定な制度です。

支給額については退職金規程で定められており、会社にはその支払い義務や準備義務が法的にも求められているのですが、実際に退職してお金がもらえるまで、もらえるかどうか分からないのが実際のところです。
まず、退職金の支払いが困難であるため、今後退職する社員について退職金の引き下げが提示され、退職金規程も変更されると退職金額はいつでも下げられる可能性があります。あまりにも一方的で引き下げ度合いがひどい場合は、不利益変更として認められないこともありますが、業績が低迷していたりすると退職金より雇用(毎月の給料)が優先されますので、引き下げざるを得ないのです。(すでに退職した社員の減額は基本的に認められません)

また、会社が破綻した場合も退職金の権利は優先して守られるよう定められていますが、実際には支払うためのお金が底をついていることが多く、十分には守られないのが一般的です。

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