『おっぱいとトラクター』

おっぱいとトラクター (集英社文庫)
<DATA>タイトル:『おっぱいとトラクター』出版社:集英社著者:マリーナ・レヴィツカ訳者:青木純子価格:840円(税込)
ウクライナ移民の老父が、祖国からやってきた36歳の女性と再婚すると宣言。2人の娘は継母の追いだしをはかりますが……。イギリス本国をはじめ37カ国で翻訳され、合計200万部を売り上げたという家族小説です。

まず、金とパスポート目当てで84歳の老人と結婚したことを隠さない巨乳美女ヴァレンチナが、あこがれの西側生活を実現しようとして巻き起こす騒動の一つひとつ(特に276ページの大乱闘!)が可笑しい。欲ばりだけれど、愛嬌もあって憎めません。

おっぱいとトラクターに夢中になる老人のキャラクターは強烈ですし、なけなしの財産をめぐって「渡る世間は鬼ばかり」的なドラマが繰り広げられます。わたしが好きなのは、ヴァレンチナの元夫がやってきて、老人としばらく同居するところ。ちょっとずれた男同士の近づき方が微笑ましいのです。

作品全体にあふれるユーモアの源泉は……