辻村深月『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』
<DATA>タイトル:『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』出版社:講談社著者:辻村深月価格:1,680円(税込) |
東京在住のフリーライター・みずほが、地元の山梨で起こった母殺し事件の重要参考人として追われる幼なじみ・チエミの行方を探す。
やりがいのある仕事も大企業に勤める夫も手に入れたみずほと、契約社員としてルーティンワークをこなす日々のなかで普通のお嫁さんになりたいという願いにすがるチエミ。対照的なふたりを通して、30歳という岐路の年齢に立った女性が直面する「モテ格差」と「母娘問題」が浮かび上がります。
お互いに見下したり見下されたりしながら友達でいられる。気がつけば母親と歪な関係を築いている。そんな女子たちが心の奥底に隠している本音を容赦なく暴きつつ、どうしたらそこから自由になれるの、というところまで考えている。
最後にタイトルの意味がわかるところもうまい! ミステリーファン以外にもオススメの1冊です。
現実に息苦しさを感じている人にはSuicaのペンギンのイラストレーターによるコミックエッセイ『うわのそら』もいいと思います。