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新刊PICK-UP!2009年10月29日号

ガイドが読んだ新刊の内容をご紹介します! 今回ピックアップするのは、『しがみつかない生き方』『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』『うわのそら』の3冊。

石井 千湖

石井 千湖

話題の本 ガイド

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ガイドが読んだ新刊の内容を随時ご紹介します! 10月29日号は、『しがみつかない生き方』『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』『うわのそら』の3冊をピックアップ。

香山リカ『しがみつかない生き方』

しがみつかない生き方―「ふつうの幸せ」を手に入れる10のルール (幻冬舎新書)
<DATA>タイトル:『しがみつかない生き方』出版社:幻冬舎著者:香山リカ価格:777円(税込)
30万部突破のベストセラー。副題の通り、「ふつうの幸せ」を手に入れる10のルールを説いた本ですが、10番目の「〈勝間和代〉を目指さない」が、売れっ子の勝間さんに対するアンチテーゼとして読まれたらしい。

でも、香山さんは精神科医という専門職についていて、なおかつ本をたくさん出している有名人でしょ。勝間さんとどこがちがうの?

と、ツッコミを入れられないように、香山さん自身の弱みも随所でさらされています。例えば勤めていた病院で医局長からヒラの医者に降格になったとか、〈私の場合は、仕事を選んだというよりは、そもそも出産適齢期に“結婚してボクの子どもを産んでくれ”と言ってくれる人に選んでもらえなかったのが問題なのだ〉とか。

自己啓発本は、必ず読者が自分を肯定できるように作られています。「あなたの価値はもっと高いはず」と肯定してくれるのが勝間さんの本で、「ありのままのあなたでいい」と肯定してくれるのが香山さんの本。香山さんの本が売れているのは、頑張ることに疲れてしまった人が増えたからなのでしょう。

「しがみついている」女子の苦悩をリアルに描いた小説が『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』

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