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どう読む?『「婚活」時代』(2ページ目)

4月からそれをテーマにしたドラマも始まるなど、近頃よく耳にする“婚活”という言葉。“結婚活動”の略ということはわかるけれど、どうして今、注目されているのでしょうか。『「婚活」時代』を読んでみました。

石井 千湖

執筆者:石井 千湖

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読みどころをまとめてみました。

「婚活」時代 (ディスカヴァー携書)
<DATA>タイトル:『「婚活」時代』出版社:ディスカヴァー・トゥエンティワン著者:山田昌弘、白河桃子価格:1,050円(税込)
本書のハイライトではないか、と思われる章をピックアップして簡単にまとめてみました。

・第3章 「婚活」前時代VS「婚活」時代(山田昌弘)…結婚のための「活動」が必要になったのは1980年代から。それはなぜかを分析。お嫁さん候補としての一般職の存在、職場結婚できない人のセーフティネットとして機能していたお見合いなど、自動的に結婚相手と出会えるシステムが前時代にはあった。そのシステムが、恋愛・結婚の規制緩和によって崩壊し、格差が広まったとのこと。おそらく前時代には、結婚を規制されていることで苦しんだ人もいたのでしょうが、誰といつ結婚しても自由な時代になったら、それで悩む人が出てきたというのは皮肉です。

・第6章 現代日本、「結婚」と「婚活」の実態(白河桃子)…結婚情報サービスに詳しい白河氏らしく、外部からはわからない業界の実態が垣間見えるところが興味深い。例えば、男性からお金をとる「デパート型」から、女性からお金をとる「ブティック型」への移行。親の代理見合いまで存在すること。結婚情報サイトのさまざまな仕掛け。特に条件で絞り込み検索すると、若い女性や高収入の男性に会員が集中するため、占いをうまく利用している例など驚きました。

・第8章 成功する婚活(山田昌弘+白河桃子)…とにかく出会いの絶対量を増やすこと。山田氏によれば、男性はボランティアがお勧めだそうです。白河氏はこれからは稼げる女性が求められると説きます。この辺は、キャリア女性が主な読者層といわれる「AERA」で活躍する人らしいなという感じですが、就職できても倒産やリストラなどのリスクがある昨今、夫婦の両方が稼げるにこしたことはないでしょう。

結婚するために努力することをポジティブに提唱し、少子化対策と内需拡大にも効果がありそうな婚活。スポットライトを浴びているのは、政府や企業にとっても都合がいいからなのかもしれません。

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