立川談春『赤めだか』
<DATA>タイトル:『赤めだか』出版社:扶桑社著者:立川談春価格:1,400円(税込) |
談春が落語に魅入られたのは、中学を卒業する直前、初めて立川談志の漫談を聴いたとき。談志は赤穂浪士の話をします。四十七士以外にも、赤穂藩の家来はたくさんいた。敵討ちをしなかったことで、後々つらい思いをしたはずだと。
落語はね、この逃げちゃった奴等が主人公なんだ。(中略)客席にいる周りの大人をよく見てみろ。昼間からこんなところで油を売ってるなんてロクなもんじゃねェヨ。でもな努力して皆偉くなるんなら誰も苦労はしない。努力したけど偉くならないから寄席に来てるんだ。『落語とは人間の業の肯定である』。よく覚えときな
その言葉が忘れられなかった少年は親の反対を押し切って高校を中退し、立川門下に入ります。ところが、そこはとんでもない世界だったのです。
タイトルの由来にもなっている「赤めだか」事件とは?