各巻の内容を少しだけかもすぞ
<DATA>タイトル:『もやしもん 6』出版社:講談社著者:石川雅之価格:560円(税込) |
■第1巻 A・オリゼーなどの麹菌、乳酸菌、真菌(カビ)、火落ち菌、ライノウィルス、O-157ほか
第2話「能力」では、沢木の力を疑う遥が、あの手この手で菌が見えるかどうかを実験。最終的に沢木が彼女自身について指摘したヒトコトで信じざるを得なくなるところが笑える。その場面に出てくるのが真菌。
■第2巻 各種酵母、粘菌、サルモネラ菌、インフルエンザウイルス、ピロリ菌、大腸菌ほか
第17話「相手の目線に立ってみよう」は菌が主役! 樹研究室の隅にできたコロニー(菌たちが集団安定したもの)の様子を描く。人間につかまるとどうなるのかという問いに対する答えが可愛い。
■第3巻 納豆菌、畳の菌、ボツリヌス菌、酪酸菌、コレラ菌、腸炎ビブリオ菌、赤痢菌ほか
沢木たちは世界一臭いといわれる缶詰シュールストレミングを第29話「スカンジナビアの香り」でついに食す。作者も実際に食べたのだそう。飛び出す乳酸菌達がかもしだしたのは、噂にたがわぬ強烈な香りだった模様。
■第4巻 しいたけ菌、土壌菌、C・ジフテロイド(ワキガの原因菌)、黄色ブドウ球菌ほか
第38話「オリゼーの憂鬱」では日本を代表する麹菌A・オリゼーの受難が語られる。キュートなオリゼーがたくさん登場。ストーリーの本筋では謎のゴスロリ少女の存在がクローズアップされたり、沢木にある重大な変化が起こったり、UFO研究会とのバトルがあったり、何かと動きがある巻。
■第5巻 日本酒、プルケ(竜舌蘭が原料のどぶろく)
菌はメインで活躍しないかわりに、お酒にまつわる話が豊富。かつて酒屋が果たしていた役目などが解説される。名前はないのに印象的なバーテンダーも登場し、農大収穫祭では川浜がつくったプルケを売って稼ぐ。巻末で「もやし(種麹)屋」の歴史も紹介。
■第6巻 Bシラネア(貴腐ワインをつくりだす菌)ほかワインに関係する菌もろもろ、ノロウイルス
5巻でいなくなった遥を追って、沢木・美里・川浜がフランスへ。A・オリゼーとBシラネアがワインのややこしいところ――ブルゴーニュとボルドーの違い、格付けなど――を解説してくれる。かなりワインが飲みたくなる1冊。
いよいよ10月11日から上野の国立科学博物館で『もやしもん』を大々的にフィーチャーした「菌類のふしぎ展」も開催される。6冊なら週末に一気読みも可能。今年の秋はぜひ、この作品の魅力を堪能してみてほしい。
【関連サイト】
・「石川雅之公式サイト」…著者の最新情報をチェックするならココ。日記も読めます。
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