書籍・雑誌/話題の本関連情報

血液型本ブームを読む(2)(2ページ目)

勝手に連載企画「血液型本ブームを読む」。第2回はヒットの背景にある血液型カルチャーは、どのようにして定着していったのかを探っていきたいと思います。

石井 千湖

執筆者:石井 千湖

話題の本ガイド

血液型カルチャーの歴史

「モード性格」論―心理学のかしこい使い方
血液型性格判断を心理学的な側面から検証した本のなかで、おそらく現在最も入手しやすいのはこれ。<DATA>タイトル:『「モード性格」論―心理学のかしこい使い方』出版社:紀伊國屋書店著者:サトウタツヤ、渡邊芳之価格:1,890円(税込)
さて、血液型カルチャーはどのように受容されていったのでしょうか。簡単に歴史をたどってみましょう。

□1901年 ウィーン大学の病理学者カール・ラントスタイナーがABO式の血液型を発見 ※ちなみにその後、Rh式やHLA型などさまざまな血液型が発見されています。

□1927年 東京女子師範学校(現在のお茶の水女子大学)の教育学者・古川竹二が雑誌『心理学研究』に「血液型による気質の研究」を発表 ※1932年に出版された著書『血液型と気質』によれば〈自己の家族の数名に就きて、最初その血液型を検査したる所、血液型の同じき者同士は、類似の気質を有して居り、血液型の異なれる者の間には、明白な気質的の相違を認めたのであった〉というのが始まりだった。

□1971年 能見正比古が『血液型でわかる相性』を出版 ※「血液型人間学」が全国的なブームに。

□1980年代 占星術と血液型性格分類を複合させた占いが流行 ※一方で、さまざまなメディアや科学者による批判的な検証が始まる。

□1994年 竹内久美子が『小さな悪魔の背中の窪み』を出版 ※沈静化していた血液型ブームが再び盛り上がる。

□2004年 「放送倫理・番組向上機構(BPO)」が「『血液型を扱う番組』に対する要望」を提出 ※科学的根拠がないとして、血液型性格判断を肯定的に紹介する番組に対して批判が高まる。

□2007年 Jamais Jamaisが『B型自分の説明書』を出版 ※沈静化していた血液型ブームが再び盛り上がる。←いまココ。

参考資料:佐藤達哉「血液型カルチャー年表」
     大西赤人『「血液型」の迷路―性格判断ブームを検証する』

次ページでは、血液型ブームを定着させた本をご紹介します。

  • 前のページへ
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます