なんと130万部を突破し、小栗旬主演でドラマ化も決まっている『夢をかなえるゾウ』。本書も含めて、なぜベストセラーには自己啓発書が多いのか? どうしてなかでも本書が売れたのか? 『自分探しが止まらない』と併読しながら考えてみたい。

水野敬也『夢をかなえるゾウ』

夢をかなえるゾウ
<DATA>タイトル:『夢をかなえるゾウ』出版社:飛鳥新社著者:水野敬也価格:1,680円(税込)
『夢をかなえるゾウ』のキモは、(1)ヒットした自己啓発本、著名人の成功哲学のエッセンスを抜き出し、(2)ストーリー形式でまとめ、(3)簡単に実行できるようにしたことだろう。

自己啓発本は、同じことを少しだけいい方を変えて何度も繰り返すタイプのものが目立つ。内容が薄められているから、1冊で満足できずに何冊も買う人が多いのだ。著者は重要な部分だけをダイジェストにして、うまく盛り込んでいる。

ストーリー形式にするといいのは、登場人物が架空の存在なので、成功体験が自慢話にならないところ。物語の主人公「僕」は、本人いわくすげー普通の会社員。彼がゾウの姿をした自称神様ガネーシャに出題された課題を実行することによって、自分の人生を変えていく。

その課題は靴を磨くことから始まる。『女性の品格』も、はじめのステップはお礼状を書くことだった。最初のハードルの低さは、たくさんの人に読まれるために不可欠。ガネーシャの課題の言葉を借りるなら、様々なベストセラーの人気の理由を観察したのだろう。

自己啓発本には、100万部を突破したものがごろごろ存在する。ニーズの高いジャンルだ。自己啓発本を読んで一番成功するのは、既存のベストセラーの要素をふまえた上で、アップデートした自己啓発本を書ける人ではないかと思う。著者がお手本だ。

『夢をかなえるゾウ』と併読すると、目からウロコ!! 『自分探しが止まらない』とは?