シリーズ第1弾『黄金の羅針盤』消えた友達を追うライラ
<DATA>タイトル:『ライラの冒険I 黄金の羅針盤(上)』出版社:新潮社著者:フィリップ・プルマン価格:620円(税込) |
ライラの親友ロジャーもある日連れ去られてしまった。子どもたちをさらった組織は、北極で人体実験を行なっているらしい。ライラのおじで北極で何かを発見したアスリエル卿もまた、消息を絶っていた。ライラは船上生活をおくるジプシャンと一緒に、世界に6つしかない黄金の羅針盤を持って北極へ向かうが――。
良い子じゃない主人公、曲者の大人たち
まずライラのキャラクターがいい。かなりの問題児なのだ。身なりにはかまわない、ひどいいたずらをする、息をするようにうそをつく。だけど自由奔放で、何事にも物怖じせず、生命力にあふれている。ライラと関わりの深い大人も曲者だ。アスリエル卿はカリスマ性と行動力を兼ね備えた偉丈夫だが、唯一の身内にもかかわらずライラを放ったらかしで、会ってもやさしい言葉ひとつかけない。ライラを引き取ろうとする美女コールター夫人は、おそろしく頭がよくて邪悪。ところが世界を滅ぼしかねない野望を持つ2人に、ライラも読者も惹かれてしまう。
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