12月 国境の長いトンネルを抜けると
<DATA>タイトル:『雪国』出版社:新潮社著者:川端康成価格:380円(税込) |
国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。夜の底が白くなった。信号所に汽車が止まった。
という冒頭で知られる『雪国』だろう。越後の温泉町を舞台に、親譲りの財産で無為徒食の暮らしをおくる島村と芸者・駒子の不倫の恋を描く。駒子と再会したときの島村の言動、
「こいつが一番よく君を覚えていたよ。」と、人差し指だけ伸した左手の握り拳を、いきなり女の目の前に突きつけた。
というくだりがエロティックだ。駒子の鉱物のように黒い髪、雪のように白い肌、蛭のように赤い唇。色のコントラストが鮮烈なイメージを残す。
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タイトル:『雪国』
出版社:新潮社
著者:川端康成
価格:380円(税込)
本を読むのは楽しい。読んだ本同士がつながるともっと楽しい。2008年も楽しく読書しましょう!
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