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旅に持って行きたい文庫ベスト5

年末年始、旅の計画を立てている方も多いのでは? 2007年に発売された文庫の中から、旅のおともにしたい本を5冊セレクト。もちろん、家でゆっくり読むのもオススメ!

石井 千湖

執筆者:石井 千湖

話題の本ガイド

年末年始、旅の計画を立てている方も多いのでは? 2007年に発売された文庫の中から、旅のおともにしたい本を5冊セレクト。もちろん、家でゆっくり読むのもオススメ!

映画も公開されたばかりの注目作

画像(C)新潮社
著者は、デビュー作『停電の夜に』でピュリツァー賞を受賞し、世界的に注目されているインド系のアメリカ人作家。同タイトルの映画が12/22よりシャンテシネほかで公開中。<DATA>タイトル:『その名にちなんで』出版社:新潮社著者:ジュンパ・ラヒリ価格:740円(税込)
だれもが自分では選べないけれど、一生ついてまわる――そんな名前にまつわるあれこれに想いを馳せてしまう長編小説が『その名にちなんで』だ。

主人公は、インド系アメリカ人二世のゴーゴリ・ガングリー。ファーストネームは『外套』を書いたロシアの文豪にちなんでいる。インド系なのにロシア風。姓×姓のヘンテコな組み合わせ。どうしてその名がつけられたのか。著者はゴーゴリの両親の出会いまでさかのぼって語っていく。

父が初めての我が子の名前をゴーゴリに決めたのは、若い頃、その本に命を救われたから。でも、事情を知らないゴーゴリは、成長するにつれて自分の名前を嫌うようになっていく。14歳の誕生日に父からゴーゴリの本をプレゼントされても、読みもせずほったらかし。大学に入学する前に、ついに改名もするが……。

インド文化――愛称と本名の二つの名前を持つ、妻は夫の名前を呼ばない、伝統やしきたりを重んじる――と、アメリカ文化――友達のような親子、自由な結婚、個を大切にする――の間で、衝突し、すれ違う家族の姿を時にユーモアもまじえながら描く。食べ物や衣装の描写も細やかで楽しい。

そして終盤、大人になったゴーゴリがかつて父から贈られた本を発見する場面、

あんなに嫌いだった名前、ここに隠れて保存されていた名前こそ、父が初めてくれたものだった。

という言葉に胸を突かれる。じっくり読みたい1冊だ。

<DATA>
タイトル:『その名にちなんで』
出版社:新潮社
著者:ジュンパ・ラヒリ
価格:740円(税込)

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